ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行
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2週連続 ガラパゴス スペシャル!第2弾
奇跡の動物たちを守れ!
世界遺産〝ダーウィンの島〟共生の物語
今回取り上げるのは太平洋上に浮かぶ生物たちの楽園・ガラパゴス諸島。絶界の孤島で独自の進化を遂げたゾウガメ、イグアナ等、ユニークな固有種たちは生物学者チャールズ・ダーウィンが発表した「種の起源」に大きな影響を及ぼしたと言われています。
今回は冒険家として活躍する三浦豪太がガラパゴス諸島を巡り、知られざる生態、進化の謎に迫ります。めったに見る事の出来ない貴重な映像の数々。2回に渡ってお届けします!
1.固有種の宝庫・ガラパゴス諸島
過去に一度も陸続きになったことのないガラパゴス諸島。他の動物による影響を受けることがなく、独自の生態系を構築してきた。そのため、ガラパゴス諸島には、ここにしか生息しない多くの固有種が生息している。中でも、地球最大のリクガメ・ガラパゴスゾウガメ、地球上でここにしか生息していないウミイグアナ、赤道直下に生息する唯一のガラパゴスペンギンなど、珍しい固有種たちの姿をたっぷりと紹介する。
2.環境の変化に弱い動物たち
わずかな環境の変化に対応し、独自の進化を遂げてきたガラパゴス諸島の動物たち。しかし、これまで何度も絶滅の危機に陥ってきた。その大きな原因が人間だ。かつて、船乗りたちの中継基地として利用された島では、ゾウガメや人間を恐れない海鳥たちが食料として持ち去られ、絶滅の危機に。また、人間たちが持ち込んだネコやヤギなどの家畜の影響で、すでに絶滅してしまった固有種も多い。 そのため、ガラパゴス諸島の貴重な生態系を守るために、現在は、観光客や研究者に、さまざまなルールを設けている。その取り組みを紹介する。
3.サンタ・クルス島にあるダーウィン研究所
1964年に設立されたダーウィン研究所では、世界的に貴重なガラパゴスの生態系を守る活動や、生態系に悪影響を及ぼす外来種の駆除法を編み出すなど、さまざまな研究が行われている。また、かつて船乗りの食料として大量に捕獲され、絶滅の危機にひんしていた、くら型ゾウガメの繁殖事業にも成功。たった1頭で1500頭の子孫を生んだ、スーパーディエゴと呼ばれるゾウガメの姿を見ることができる。
4.環境対策
人間活動による生態系への影響をなるべく少なくしようと、さまざまな取り組みが行われている。風力発電、太陽光発電など、石油を使わないエコエネルギーへの転換、ごみの分別も徹底しており、島内で出たごみは、全て手作業で細かく分別している。大気汚染を防ぐため、そのごみを本土に送って焼却、ガラス製品は細かく粉砕して、島内の道路に使用している。また、島内の子どもたちをクルーズ船に招待し、ガラパゴスの自然がいかに素晴らしいかを体験させ、ガラパゴスの将来の守り手を育てる取り組みも行っている。今回、そのクルーズにも密着する。
出演者:三浦豪太さんのコメント
ガラパゴス諸島は驚きの連続であった。海の中を潜るイグアナ、人よりも大きなゾウガメ、赤道近くにいるペンギン、人懐っこいアシカ、そこには生命の楽園とも言える姿があった。
しかし、取材を進めているうちにガラパゴス諸島の現在が見えて来た。火山岩から出来ている島々は雨をしみ込ませてしまい、生命に必要な真水に乏しい。
そして生態系の底辺を支える植生もけっして豊かではない。
そのためガラパゴス諸島はエルニーニョやラニーニョ等、急激な自然変化がある度にいくつかの固有種の存続に危機が訪れている。また過去にはゾウガメの乱獲、外来種の持ち込み、人による生態系への影響も大きかった。
現在ではガラパゴスの生態系を存続するため、世界中の研究者が集まるダーウィン研究所と国立公園の連携、そして次世代の取り組みが注目されている。
楽園に見えるガラパゴス諸島には、過酷な大自然にさらされながら現在でも進化を続けている生き物達の姿があった。