ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行
バックナンバー
岩崎恭子が幻の白鯨を追う!
オーストラリア・グレートバリアリーフの神秘
今回は、多種多様な生物が生息しているオーストラリアの海へ。その中でも、東海岸・グレートバリアリーフは毎年南極海から繁殖のために北上、また捕食のために南極海へと戻っていくザトウクジラの通り道として、観光客だけでなく世界中の研究者から注目される海域。年々減少しているといわれているクジラだが、なんとここ東海岸では年々ザトウクジラの頭数が増加しているという。 さらに1991年。あるザトウクジラが発見され、その後、毎年目撃され注目を集めている。そのザトウクジラは全身が真っ白なクジラで、オーストラリア先住民の言葉で「白い奴」を意味する「ミガルー」と名付けられた。その幻の白鯨・ミガルーに出会うため、グレートバリアリーフを訪れたのは元水泳選手で金メダリスト・岩崎恭子。オーストラリア東海岸に生息するザトウクジラの知られざる生態を探りながら、白鯨・ミガルーを追跡する!
<ザトウクジラと一緒に泳ぐ ムールラバ>
高級リゾート地として有名なサンシャインコーストにあるムールラバは、ホエールウォッチングができる、まさにクジラとともにある港町。そもそもザトウクジラとはどういう生き物なのか? まずはクジラと一緒に泳ぐことができるというホエールウォッチング船へ。オーストラリアでは、法律でクジラから100メートル以上離れなければならないと決められているが、人懐っこいクジラの特性を利用し、クジラの進行方向に先回りすることでクジラと一緒に泳ぐことができる。そこで初めて見る野生のザトウクジラの迫力に圧倒された岩崎恭子。ザトウクジラと一緒に泳ぐことはできるのか?
<ミガルーを研究している第一人者との出会い ザトウクジラとミガルーの生態を探る! バイロンベイ>
オーストラリア東海岸の最東端・バイロンベイはその地形の特性により回遊するクジラたちが最も陸に接近する海岸。そのためクジラの研究機関も多い。クジラ研究の第一人者、サザンクロス大学のピーター・ハリソン教授を訪ね、彼のフィールドワークに同行した。 調査船からは、クジラが尾ビレを海面に出してフリップ、海面からのブリーチングをする姿をたくさん見ることができ、その数の多さを計り知ることができる。尾ビレの形状をデータ化して個体識別するシステム「フルークマッチャー」と、幻の白鯨・ミガルーを研究する中で、ハリソン教授が採取したというミガルーの皮膚を特別に見せてもらう。その皮膚から分かるミガルーの生態を探る。 1998年にミガルーの泣き声(歌)の録音にも成功したというが、果たして岩崎はバイロンベイで実際にミガルーに出会い、歌を聴くことができるのか?
<親子クジラが集まる"生命のゆりかご"の海 ハービーベイ>
幻の白鯨・ミガルーを追い、続いて訪れたのは、世界遺産に登録された世界最大の砂の島、フレーザー島がある港町・ハービーベイ。毎年6月~10月のホエールウォッチングシーズンには、多くの観光客が訪れる町としても有名だ。さっそく岩崎も観光船に乗り、ミガルーを探索するため海に出る。そこで出迎えてくれたのは、多くの母子クジラ。実はここハービーベイは、フレーザー島が形成する天然の入り江であり、波が穏やかで外敵が少なく、さまざまな海洋生物が安心して暮らせる海域になっている。また、東海岸を回遊する親子クジラも立ち寄り、約8週間の子育てをする海域でもある。 番組では大変貴重なザトウクジラが授乳する姿を撮らえることができた。岩崎が見た奇跡的な授乳シーン…それは子クジラを思う母クジラの優しさだった。
<岩崎恭子はミガルーに会えることができるのか!?>
多くの研究者が追いかける、幻の白鯨・ミガルー。ミガルーはアルビノ種という遺伝子の劣勢因子の影響で、皮膚色素の沈着がなく生まれた。自然界でアルビノ種は身体的にとても弱いとされ、1991年の発見時、長く生きることが不可能であろうと予測されていた。しかし、毎年数多くの目撃情報があがり、グレートバリアリーフ沖を回遊しているその白い姿も目撃されている。 今回の旅を通して、力強く生き抜いているミガルーに出会うことはできるのか? そして、オーストラリア東海岸でザトウクジラが毎年増加しているその理由とは!