ネイチャードキュメント 奇跡の地球紀行

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速水もこみちが食べつくす!地中海の旅
~海に浮かぶ世界遺産・マルタ島~

今回は俳優・速水もこみちがイタリアの南、地中海に浮かぶ美しくも不思議な国・マルタ共和国へ。東京23区の約半分、そんな小さな国に世界最古ともいわれる巨石建造物郡、街全体が武装した要塞(ようさい)都市・バレッタなど、幾つもの世界遺産が点在。マルタを訪れる人々の歴史ロマンをかき立てる。
さらに、マルタは地中海の気候風土に恵まれた食の宝庫! 料理愛好家でもある速水が一度は訪れてみたいと思っていた憧れの地。地中海の食文化を通じ、多くの地元の人たちとの交流が生まれる。


速水もこみちがマルタに降り立ち最初に向かったのは、街全体が世界遺産に指定されている要塞(ようさい)都市・バレッタ。街は碁盤の目のように整然と整備され、教会をはじめ歴史的建造物はどこも格式が高くぜいを極める。なぜ地中海に浮かぶ小さな島に、これほどまでに堅固で豪華な街が必要だったのか? その財力はどこから生まれたのか?  バレッタは歴史的好奇心の強い速水がぜひ見てみたいと焦がれていた街のひとつ。
マルタは地中海のほぼ中央に位置し、海を挟んでアジアとヨーロッパ、アフリカが接する"歴史と文化の交差点"。古くからローマやトルコなど周辺の列強が侵攻の拠点として覇権争いを繰り返し、さまざまな文化、風習が入り乱れた。その街を大きく揺るがした出来事が、1565年のオスマン・トルコ軍の来襲。当時、破竹の勢いで領土拡大を推し進めていたトルコ軍の精鋭がマルタを取り囲んだ。この時、マルタを統治していたのが聖ヨハネ騎士団。大きな犠牲を払いながらも、トルコ軍を撃退することに成功。これがヨーロッパの国々を異教徒から守ったと賞賛され、各国から感謝の寄進が贈られた。その財源が当時の技術の粋を集めた強固な要塞都市・バレッタを誕生させた。速水もそのバレッタで行われる当時の騎士団を再現したイベントに参加、かぶとやかっちゅうを身に付け中世の騎士に思いをはせた。
マルタ共和国は、マルタ島とゴゾ島の大きく2つの島に分かれる。そのどちらの島にも点在するのが、紀元前3600年~2000年頃に作られたといわれる、世界遺産にも登録されている巨大石造神殿郡。ピラミッドが最初に作られたとされる紀元前2600年頃より1000年ほど前に建造が始まった。速水が立ち寄ったジュガンティーヤ神殿は、当時の姿をいまもとどめており、世界最古の石造神殿といわれ学術的にも大きな価値がある。何トンもある巨大な石を組み合わせた太古の神殿はどのようにして作られた? なぜ地中海に浮かぶ小さな島に、そんな文化が育まれたのか? 速水はますますマルタの歴史ロマンに引き込まれていく。

速水のマルタの旅のもう一つの目的は、地中海の豊かな食材が育つ環境をじかに感じ取ること。料理通として知られている速水は、オリーブオイルをふんだんに使うことでも知られている。良質のオリーブが取れるゴゾ島に向かった。ゴゾ島のオリーブ農家を訪ねると、時期が早く実もまだ小さかったが、でき上がったオリーブオイルをテイスティングさせてもらうと、速水の顔から思わず笑みがこぼれた。

紺ぺきの地中海、地平線に沈む夕日、自然がかもし出す絶景、歴史ロマンを駆り立てる世界遺産の数々…。そして、旅先で出会った人たちの温かさが、マルタの魅力を一層引き立ててくれた。