王様の家

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ストーリー

【2013年9月13日(金)放送】 第5話 「娘の恋人」

牧野(石倉三郎)が有沙(佐津川愛美)の見合い話を持ちかけてきたのだが、有沙は素っ気なく断る。理由を聞いてみれば、現在付き合っている彼氏がいるとのことだ。
「今度の日曜にうちに連れてくるから……」
突然の展開に陽介(市村正親)は絶句する。娘のボーイフレンドと対面する日が遂に来てしまったのだ。大切なものを奪われるようなやるせなさがひしひしとこみ上げてくる。
奇しくも娘のボーイフレンドが訪ねて来る日、13時に町内会長が挨拶に訪れることになっていた。
……13時。時間どおりにチャイムが鳴る。陽介と同じ年格好の初老の男だ。
「はじめまして。私、お約束をしていた……」
「お待ちしておりました。どうぞ、お入りください」
節子(岡田奈々)のいない時に来てしまったため、仕方がなく陽介が応対する。はじめは少し挨拶する程度のつもりだったのだが、同じ61歳ということで意気投合し、牧野も交えて酒を飲みながら懐かしい話に花を咲かせていた。
ところが、この男は町内会長ではなく、有沙が連れて来ようとしていたボーイフレンドの沢田信一(森本レオ)であることがわかる。
なんと、有沙のボーイフレンドとは陽介と同い年であったのだ。それを知った陽介はショックのあまり言葉を失う。
有沙は仕事の関係で骨董屋を営んでいる沢田と出会い、最初にデートに誘ったのは有沙の方だった。それから頻繁に会うようになり、今では結婚まで考えている。
勿論、陽介は大反対だ。自分と同じ歳の男と娘が結婚するなど、想像するだけでも腹立たしい。
しかし、反対なのは陽介ばかりで、節子(岡田奈々)は気乗りしないながらも、娘が決めたことには最大限の理解を示そうとしている。頑なに反対している陽介だけが孤立している状況だ。
「こんな時だけ父親ぶらないで!」
有沙も父親がニュースキャスター胡桃沢陽介であることで辛い思いをしてきた一人なのだ。
確かに、有沙が小さい頃の写真に、陽介は写っていない。胡桃沢陽介は有沙らにとって父親ではないのだ。そんな陽介が、有沙が好きになった人を否定することはできないはずだ。
自分と家族との関係を見つめ直した陽介は、有沙と沢田との交際を認めることを決意するのだった。
ところが、沢田の方から先に切り出した。
「もう有沙さんとは会いません」
沢田が有沙と会っていたのは、亡くなった妻によく似ていたからだ。有沙にはただ妻の面影を求めていただけだった。
有沙は失恋した。しかし、親子のわだかまりが一つ解けるきっかけとなる出来事であった……。