パナソニック スペシャル 次世代への羅針盤 伊藤元重の経済×未来研究所
第10回放送テーマ
11月22日(土) 夜8:00~8:55


「食の安全を守る」~消費者が望むシステムとは~

今年は、中国の毒ギョーザ事件から始まりウナギ、比内鳥の産地偽造、事故米問題など「食」を脅かす事件が多発し「食の安全」が問われた年でもある。
番組では、「食の安全」を守り、実践している、食品業界、小売り、生産者などの活動を通して「食の安全を守る」にはどのようなシステムを構築したらよいのかを考える。


その1 「らでぃっしゅぼ~や」
首都圏を中心に、北海道、中部、大阪に拠点を置き、9万4千世帯が加入している会員制の食品・宅配業者である。
有機野菜を軸とした、この食材の宅配サービスが、今、人気を集めていると言う。
食材は全て、生産者の個人名が分かるようになっている。定期的に生産者と消費者の交流会を企画。
生産現場を家族で訪れ、体験することも出来る。
交流会の取り組みは、生産者と消費者の間の壁を取り払うことにあった。


その2 「良い食品作りの会」。
原材料を吟味し、質の高い商品を提供する食品メーカーの組織である。
伝統食材からケーキ、ジャムに到るまで、現在、53社が加盟している。
創業140年を誇る、練り物の老舗「佃權(つくごん)」。
良い食品作りの会・会員として、昔ながらの味を守っている。
ベテラン職人の手による練り物は、生産量には限りがあるが、その分、売れ残ることも少ない。
儲けを追求してしまえば、どこかに皺寄せが生じる…。
ごまかしの効かない、手作りの品を真面目に作りつづけることが、確かな品質につながっている。
築地という市場が鍛え上げたノーハウ。そこに安全安心の基本があった。


その3 「みやじ豚」
神奈川県藤沢市にある株式会社みやじ豚。
販売担当で社長の宮治勇輔さん、飼育担当の次男大輔さん、そして父:昌義さんの家族3人、いわゆる家族経営の会社である。
飼育している豚はおよそ700匹。一般の養豚農家の半分の数だ。
愛情を込め、ストレスを与えず、エサに気を使う。きめ細かいケアが、安心安全な肉を生んでいた。
現在、株式会社みやじ豚はインターネットを通じて、消費者に直接豚肉を販売している。
また、養豚業界では珍しい、消費者への豚舎見学も積極的に行っている

ゲストコーナー
吉野家ホールディングス 社長 安部 修仁氏

安部 修仁 (吉野家ホールディングス 社長)



1949年福岡県生まれ。福岡県の工業高校を卒業後、プロのミュージシャンを目指し上京。
音楽活動の傍ら、株式会社吉野家でアルバイトとして勤務。その後、音楽の道を諦め、正社員として吉野家入社。
77年には九州地区本部長を務め、同社倒産後の83年には取締役として経営参加。88年常務取締役、92年代表取締役社長に就任。
2007年のグループ改組後、現職。