家族法廷

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ストーリー

【2012年2月15日放送】 第9話  「母の手紙」

家族間にもプライバシーはあるのか。久美(松永玲子)が健一(六角精児)の携帯を盗み見たことをきっかけに、その是非が話し合われているのだが、達彦(長塚京三)が出した結論は、やはり夫婦間であっても互いのプライバシーは尊重しなければならないということだった。
その矢先、亡くなった妻・幸子宛の手紙が届けられる。差出人は鳥取の『岩田あきら』と書かれている。幸子が亡くなったことを知らないようだが、その名前に心当たりはない。
その手紙をどうするべきか。達彦は取り扱いに頭を悩ませた。

朋子(岩崎ひろみ)と良弘(TETSUYA)に当たってみるが、その岩田あきらという名前に覚えはないようだ。しかし、久美だけは知っていた。
「私の口からはちょっと・・・・・・。いくら死んじゃったからってねぇ・・・・・・」
と、口を濁すばかり。やはり死んだ家族だからといって手紙を見るのはよくないことだ。
達彦は反省していた。そもそも、幸子について知らないことが多すぎることが、今更ながら身にしみているのだ。その後、幸子の遺品を整理していた達彦は、岩田からの手紙が数十通も束にして保管されているのを見つける。相当大事なものであると見えて、その手紙だけリボンで結ばれていた。岩田あきらが幸子にとって大事な存在であることは一目瞭然だ。達彦は気が気でない。
「やはり教えてくれないか」
すると、久美は渋々ではあるが、その岩田について知っていることを話した。
「お母さんの文通相手だって言ってたわ。同じ文学好き仲間なの・・・・・・でも、お父さんには内緒だって」
達彦はショックを受ける。内緒の文通相手がいたとは・・・・・・。
「私の代わりに手紙を読んでくれ。そして亡くなったと知らせてやってくれ」
手紙を開けて読んだ久美は、驚きの声をあげた。
「この人、明後日うちに来るって!」

手紙によると、岩田あきらは"例の物"を持って訪ねてくると書かれている。
一同で相談した結果、冴子(ミムラ)に過去の手紙をすべて読んで貰い、どう対処するか決めて貰うことになる。血縁のない冴子の方が客観的な判断ができるということだ。
冴子が手紙を読んでみて判ったことといえば、岩田あきらは60代の既婚者であることくらい。例の物が何であるかも判らない。
ついに岩田(大杉漣)が訪ねてきた。ロマンスグレーのハンサムな老紳士である。
達彦が彼を迎え入れ、家族一同は隣で聞き耳を立てている。
「実は、家内の幸子は他界いたしました・・・・・・」
がっくり肩をうなだれていた岩田は、今日訪ねてきた真意を語り出した。
「今日は、女房の代理で伺いました。いま怪我をして入院しているものですから」
・・・・・・達彦は狐につままれたような心境であった。
岩田あきらは、女性だったのだ。幸子の文学好き仲間であり、長らく文学について文通していた相手であった。
岩田が持参した"例の物"。それは、幸子が書いたエッセイが掲載された同人誌だった。そのエッセイに書かれていた内容とは・・・・・・。