金沢の不思議~作家・村松友視が訪ねる 百万石城下町の尽きぬ魅力~

金沢の不思議~作家・村松友視が訪ねる 百万石城下町の尽きぬ魅力~

放送内容

江戸時代からの伝統的な鴨(かも)の猟法、「坂網猟(さかあみりょう)」、金沢で最後の一軒になってしまった「金沢和傘」、350年続く楽焼を今に伝える「大樋焼(おおひやき)」、金沢茶屋街の芸妓たちが一堂に会する「金沢おどり」など、ガイドブックでは知り得ない、もうひとつの金沢に迫る。 旅のパートナーは書家・紫舟さん。金沢の伝統文化や歴史に興味がある彼女は、村松さんとともに、四季それぞれに美しい金沢の地をめぐる。
村松さんは「金沢の不思議」の最終章で書かれている、坂網猟(さかあみりょう)を取材する。坂網猟とは、石川県加賀市に伝わる、江戸時代から続く伝統的な鴨(かも)の猟法で、毎年11月~翌2月までの冬に解禁となる。村松さんは以前この猟に同行したが、捕獲を目撃することはできなかった。はたして今回は、その場面に立ち会えるのだろうか?
そして村松さんは、金沢で最後の一軒になってしまった金沢和傘を製造販売する、松田和傘店を訪れる。村松さんは80年以上和傘を作り続けている松田弘さんの後を継ぐ、息子・重樹さんに話を聞く。

村松さんと紫舟さんのふたりで訪れたのは、前田家五代藩主・前田綱紀(つなのり)の命により350年前に誕生した、楽焼の茶器を作る大樋焼(おおひやき)の窯元。ふたりは大樋焼の第十代当主で陶芸家の大樋長左衛門(ちょうざえもん)さん、同じく陶芸家の長男・年雄さん、孫の祐希さんの親子三代に会う。年雄さんは2016年に、第十一代・大樋長左衛門を襲名したばかり。紫舟さんは実際に大樋焼に挑戦する。
さらに村松さんは、鮎(あゆ)釣りに使われる加賀毛針の店・目細商店で、毛針を使ったアクセサリーづくりに励む、若き職人に話を聞き、同じく鮎釣りに使われる竹製の加賀竿(さお)を作り続ける、たった一人の職人の工房を訪れる。一方、紫舟さんは金沢のまちに繁栄をもたらした加賀藩前田家について、石川県立県立博物館の学芸員に話を聞き、加賀藩前田利家の妻・まつ直筆の書を特別に見せてもらう。
そしてふたりは、普段別々に活動している、ひがし・にし・主計(かずえ)町の三つの茶屋街が合同で芸を披露する一大イベント「金沢おどり」を見学する。番組では、金沢おどりにむけた稽古はじめから、前日の最終リハーサルまでの様子に密着する。