映画情報

2014年7月14日
ホン・サンス監督作品『ヘウォンの恋愛日記』が8月公開

韓国のみならずヨーロッパでも絶大なる人気を誇るホン・サンス監督の2013 年に発表した新作で2013年ベルリン国際映画祭コンペティション部門正式出品作品の『ヘウォンの恋愛日記』(配給:ビターズ・エンド)が公開される。
年頃の女性が、現実と夢のはざまで抱える漠然とした不安と孤独を、ホン・サンスはごくシンプルに軽やかに、そして伸びやかに描いた作品だ。
わたしはいつも日記をつけている。でも日記を書いているとなんだか眠くなってしまって―。ヘウォンは大学生。妻子ある教授、ソンジュンとの関係は誰も知らない。そしてその関係に飽きてきた彼女は、もう終わりにしたいと思っていた。そんな矢先、カナダに移住する母親とソウルで最後のひと時を過ごすことになったヘウォン。母親との別れの後、寂しくなって落ち込んだ彼女は、寂しさをまぎらすかのようにソンジュンに連絡してしまうのだった。久しぶりに会ったふたりが夜の街を歩いていると、偶然クラスメートたちに出くわしてしまう。明らかになるふたりの関係。動揺するヘウォンに、ソンジュンは駆け落ちしようと言いだすのだが…。
主人公ヘウォンに、モデルでも活躍し『超能力者』で映画デビューを飾った新星チョン・ウンチェ。ヘウォンの持つ強い意志の中に見せる傷つきやすさや脆さを絶妙に魅せる。イギリス留学経験があり、流暢な英語も披露。本作に続き、ホン・サンス監督最新作『自由が丘8丁目』にも出演している。
ヘウォンの秘密の関係にある教授ソンジュンには、『アバンチュールはパリで』『教授とわたし、そして映画』に続きホン・サンス作品に登場となるイ・ソンギュン。妻子がありながらもヘウォンとの関係を終わらせることができない男のだらしなさや苦悩を、哀愁を漂わせ演じている。また、ホン・サンス作品の常連、ユ・ジュンサンとイェ・ジウォンが『ハハハ』で愛人関係にあったジュンシクとヨンジェとして登場。その後のふたりの終わらない関係をホン・サンス独特の反復の手法で見ることができる。
また、ジェーン・バーキンが本人役として、ヘウォンの夢の中のシーンでカメオ出演しているのも見逃せない。
『ヘウォンの恋愛日記』は、もう1本のホン・サンス作品『ソニはご機嫌ななめ』とともに8月16日、シネマート新宿にてロードショー公開。