映画情報

2014年2月3日
北朝鮮の映画界に初めて密着したドキュメンタリー『シネマパラダイス★ピョンヤン』

奇妙で不可解な国は知られざる映画王国だった―北朝鮮の映画界に初めて密着したドキュメンタリー『シネマパラダイス★ピョンヤン』(監督:ジェイムス・ロン、リン・リー/原題:The Great North Korean Picture Show)が3月、渋谷 シアター・イメージフォーラムを皮切りに全国順次公開となる(配給:33 BLOCKS)。
2009年、閉ざされた北朝鮮の映画界を取材する許可を得たシンガポールのドキュメンタリー映像作家リンとジェイムスは、ピョンヤンに降り立った。しかし許可は出たものの、案内員の監視付きで、毎日撮影した全ての映像をチェックに出すという制限下での撮影だった。取材対象はピョンヤン演劇映画大学でスターを夢見る学生や、ヒット作を作ったベテラン映画監督など、まさに将軍様のハリウッドを支える選ばれた人たち。カメラの前で雄弁に“将軍様”への愛を語る一方、2年間に及ぶ長期取材によって見えてきたのは、ダイエットが苦手な女優の卵や、撮影所でエキストラの若者たちの無気力さに声を荒げる監督の姿など、どの国にもあるような風景と“ちょっぴりの本音”だった―。
北朝鮮において〈映画〉は、国家思想を人民に定着させる重要な啓蒙ツール。特に故キム・ジョンイル将軍は大の映画好きで、ピョンヤンに日本、中国、韓国などの古い街並みを再現した広大なオープンセットを持つ“朝鮮芸術映画撮影所”を建てたほど。今でも年間100本に迫る勢いで企画されるという映画王国・北朝鮮に密着2年。撮影対象は「演じている」のか? 何が「真実」「本当」なのか? それを感じ、見抜くのは観客だ。

公式サイト: http://cinepara-pyongyang.com