映画情報

2012年11月5日
東京国際映画祭で『未熟な犯罪者』が審査員特別賞、ソ・ヨンジュが主演男優賞を受賞

10月20日より28日まで開催された第25回東京国際映画祭で、韓国映画としては6年ぶりにコンペディション部門にノミネートされた『未熟な犯罪者』が審査員特別賞を受賞。そして、主演男優賞には14歳の俳優ソ・ヨンジュが選ばれ、同映画祭で韓国俳優として初めて個人賞を受賞した。同映画祭の男優賞としては最年少受賞者となった。

クロージングセレモニーで行われた受賞作品・受賞者の発表で、ソ・ヨンジュは自分の名前が読み上げられるとビックリした表情を浮かべ「皆さんに感謝しますという言葉しか出て来ません。この映画祭に参加することは、大きな経験でありプレッシャーにもなっています。そのような場所でこのような賞をいただけてうれしく思っています。本当にありがとうございました」と話すと唇をかみしめた。

続いて審査員特別賞に『未熟な犯罪者』の名前が呼ばれると、カン・イグァン監督、主演のイ・ジョンヒョン、ソ・ヨンジュが登壇。監督の「この映画を作ることは、簡単なことではなかった。ここまで来たのも奇跡ではないかと思う。一番大きな力になってくれた、イ・ジョンヒョンさんとソ・ヨンジュ君に感謝します」と語ると、最初は笑顔いっぱいだったイ・ジョンヒョンが号泣した。

受賞後、各インタビューやパーティーなど慌しく過ごしたソ・ヨンジュからコメントが届いた。「僕ではなく、イ・ジョンヒョン先輩がいただくべき賞だったと思います。監督がたくさん相談に乗ってくれて、ジョンヒョン先輩もたくさん助けてくれたので、この賞をいただくことができたと思います。二人と一緒でなければこの賞をいただくのは不可能だったと思います。お二人に心より感謝しています。そして初主演作で、東京国際映画祭で賞をいただくことになって光栄です」

少年院を出入りする主人公ジグ(ソ・ヨンジュ)の元へ、死んだと思っていた母ヒョスン(イ・ジョンヒョン)が13年ぶりに現われた。二人はつかの間の幸せを得たように見えたが、世間の反感と冷たい現実にささいなけんかから家を開けた母に捨てられたと思ったジグは、暴力事件を起こし再び少年院に送られてしまう…。
『未熟な犯罪者』は、少年犯罪という暗いテーマを扱いながらも、未来を感じさせる作品だ。