ヨーロッパ食堂~美味探求!!素晴らしき食の世界~

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「イタリア料理」スペシャル ローマ〝食堂〟めぐり 前編

今回の美味探求の舞台は、イタリア最大の都市・ローマ。
イタリア料理の歴史は、紀元前、ローマ帝国の時代にまで遡り、当時の裕福なローマ人たちの間で、腕利きの料理人を集めて贅を尽くした料理を披露することが流行し、料理人たちも日夜新しい料理づくりに励んだことで、周辺の国々の追従を許さない素晴らしい食文化が育まれたと言われています。
そして、その食文化は、ローマ帝国の発展とともにヨーロッパ各地へと広がっていったのです。
そんなローマでイタリア料理を紹介してくれるのは山田美知世さん。山田さんは流行をリードする女性たちに向け、ファッションやカルチャーの情報を斬新で美しいビジュアルとともに発信する『エル・ジャポン』のインターナショナル・エディターとして活躍する傍ら、日本人で唯一、イタリアの国家試験であるオリーブオイル鑑定士試験に合格。長年、イタリアの食文化全般や、ファッション、インテリアに関する取材撮影や執筆活動などを行っています。

山田さんがまず訪ねたのは「カンポ・ディ・フィオーリ」というイタリア語で「花畑」を意味する市場。ここでは生花や肉、魚、果物や野菜など何でも揃います。
そんな市場の近くにあり、19世紀初めから続く老舗のパン屋は地元では知られた存在。次々に焼きあがるパンは日々のローマっ子の食卓には欠かせないとか。一番人気は午前11時頃から焼きあがる各種スキャッチャータ。ローマではシンプルにピッツァと呼ばれ、いろいろな具を挟んで食べるが生ハムとイチジクを挟んだピッツァは格別!

そしてイタリアと言えば、やはりパスタ!スパゲッティに代表される麺状のロングパスタやマカロニに代表される小型のショートパスタがあり、地方独特のものも含め650種類ものパスタがあると言われています。そんなパスタの名店「Trattoria Vecchia Roma」はペペロンチーノやアマトリチャーナなどのパスタが有名なお店。イタリアで食べるペペロンチーノはスパゲッティをニンニクで香り付けしたオリーブオイルで合えただけの料理で唐辛子は入っていないので、日本で食べられるペペロンチーノを注文するときは「唐辛子入り」と注文しなければならないとか。

さらにパスタと並んでイタリアンの代表とされるピッツァもローマ風は特徴があります。訪れた「ラ・モンテカルロ」はローマピッツァの名店。この店のピッツァを求めて何とあの伝説のバンド、ザ・スミスのモリッシーも足繁く通ったと言われています。そんなローマ風ピッツアは、もちもちとした分厚い生地ではなく、薄焼きでパリッとした食感が楽しめる生地であるのが特徴です。これはローマの人たちは家で既に夕食を食べる人が多く、その後友達と会ってお話を愉しむために外に出て、ピッツェリア(ピッツァの専門店)に集うというパターンが多いので、軽いスナック的な夜食としてのピザを食べたいというのが理由のひとつだと言われています。

他にもローマっ子に人気の和菓子店や回転寿司店、またローマの夏の風物詩・テヴェレ川沿いの夜の屋台も紹介します。