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【上海篇】上昇する街 上海

急速に発展を遂げる街・上海。この街を語る上で忘れてはならないのが租界、かつて欧米や日本の進出によって作り出された治外法権の地域のことである。現在 も当時の建物が残り、上海らしい異国情緒をかもし出している。またこの街には、中国ならではの文化を残す建物も数多い。"茶館"と呼ばれる、お茶を楽しむ 場所もその一つである。お年寄りたちの憩いの場であり、マージャンを楽しむ人あり、持ち寄った小鳥の自慢話をする人ありと、そこにいるだけで中国・上海に 古くから残る風情を肌で感じることができる。
上海は、現在の中国の中でもっとも国際化されている街である。当然子供の教育にも熱心で、政府が掲げる"一人っ子政策"により、子供たちは親の期待を一身 に浴びている。"少年宮"という教育施設では、子供たちは親が見守る中、あらゆる習い事に励む。琴や書道といった古典から、ピアノ、歌唱、絵画、電子工 作、コンピューター、スポーツ、語学まで、そのカリキュラムはさまざまである。これからの中国を背負う子供たちにかかる期待は大きいのだ。
街にはインターネット・カフェをはじめ、コンピューターを使った最新のビジネスを興す人々の姿が多く見られる。ロトン社は冠婚葬祭などに用いるポートレー トを最新のコンピューター技術を駆使して提供する注目の会社で、今や中国全土から注文が殺到し、巨大なビジネスへと発展した。CAC社もその一つで、社長 の程さんはニューヨークで10年間大手のIT企業に勤め、その経験から会社を興した若手企業家である。彼らに、今後の上海の進む道をたずねてみる。
高層ビルがひしめく浦東は、現在注目の企業が集まる地区である。現代上海のシンボルともいえるテレビ塔・東方明珠塔もここにある。その中で、これまでの中 国になかった新しいスタイルとメニューで人気を集めるレストランを紹介する。また、商業用としては世界初となるリニアモーターカーも、発展する上海を象徴 する存在である。浦東の地下鉄龍陽路駅から浦東国際空港を結び、最高時速は430キロを超える。
明日に向かい上昇する上海、そこに暮らす自信に満ちた人々。未来都市は今、上海において現実のものになろうとしている。