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【ニューヨーク篇】摩天楼幻影

このシリーズでは、街の象徴である摩天楼、エネルギーあふれる42ndストリート、復興するハーレム、人々の憩いの場であるセントラルパーク、そしてこの街を舞台に活躍するニューヨーカーをテーマに、知られざるニューヨークの魅力に迫る。
あたかも街の匂いが伝わってくるような臨場感あふれる美しい映像で、ニューヨークのディープな魅力を贅沢に味わってみたい。

ニューヨークの象徴、マンハッタンの摩天楼。数々の超高層ビルがひしめく中、ニューヨークは伝統を重んじ、新旧をうまく融合させ、美しいモザイクを描き出している。そのモザイクは、街並みのみならず、建物、料理、そこに生きる住人など、あらゆるものに感じることができる。
アメリカはもとより、世界経済の中心であるウォール街。ニューヨーク証券取引所などが建ち並ぶ金融街で、毎日ビジネスマンで溢れかえる。その傍らに、 ニューヨークで最古の教会・トリニティー教会がある。このゴシック建築の教会は1697年に建てられ、現在の建物は1846年に再建されたものだ。今でこ そ高層ビルに取り囲まれてしまっているが、その塔は、19世紀末まではニューヨーク一の高さを誇っていた。教会には墓地が隣接し、開拓時代の古い墓石など を見ることができる。周囲の雑踏からは想像もできない静けさを持った一角である。
ニューヨークの街を歩いていると必ず目に付くのがリムジン。ニューヨーカーは、親しみをこめて“リモ”と呼ぶ。リモの運転手たちは、大好きな街・ニューヨークで仕事ができる喜びを感じ、今日も車を走らせる。

「セカンド・アベニュー・デリ」は、ユダヤ人の伝統料理である“コーシャー・フード”の味を守る名物デリで、いつも地元の人たちで賑わっている。席につく と、まず山のようなピクルスが運ばれてくる。溢れんばかりのコンビーフをはさんだサンドイッチは、1954年の創業以来、変わらぬ味を保ち続けている。
元財閥のヘンリー・ヴィラード氏の邸宅を改築したパレス・ホテルは、ニューヨークを代表する超高級ホテルの一つ。重厚なデザインで、内装も細部にわたって アールデコ調のデザインが施されている。ホテルに隣接するのが、高級レストラン「ル・サーク200」。地中海料理をベースにした料理の数々は、伝統を重ん じながらも自由な発想をするシェフによって生み出される芸術品。ここでも新旧の良さが融合した、ニューヨークらしさが顔をのぞかせる。