文化遺産の旅
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埼玉県・秩父市



今回の訪問地は、埼玉県。山地を縫って流れる荒川沿いに、秩父地方の文化を紹介する。

旅の始まりは、長瀞渓谷。川下りの舟に乗り、大自然の芸術を堪能する。奇岩あり、絶壁あり。滝や木々の姿も涼しげ。加えて、船頭の操船と案内も見事。舟が育んだ、秩父特有の文化だ。

川沿いに走る秩父鉄道もまた、躍動的な姿。蒸気機関車が走る姿に、声の旅人・寺田農の心も踊る。汽車に乗って到着したのは、御花畑駅。国の文化財にも指定された歴史ある駅舎だ。

旅は続き、秩父神社から。武州六大明神の一角をなす古社だ。創建は遠く神話の時代に遡る。現在の社殿に限っても、400年以上もの歳月を経ている。徳川家康にちなんで、虎にまつわる彫り物も多い。家康と虎と秩父神社の三者に興味深いものがありました。

旅の後半は秩父市内の散策へ。江戸時代中期に創業の酒蔵があった。現在の建物も同じ時期の建築というから驚く。

旧秩父橋を渡ってさらに進めば、遠くから聞こえる囃子の音色。秩父の伝統芸能・久那の獅子舞と出会った。秩父地方には、なぜか多くの獅子舞が根付いている。埼玉県・秩父の地には、時の流れを越えた多様な文化が息づいていた。