文化遺産の旅
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三重県 四日市・桑名編



今回の訪問地は、三重県。四日市市と桑名市を訪ねて、北勢の文化を紹介する。
旅の始まりは、四日市市から。運河に架かる開閉橋・末広橋梁の雄姿に、声の旅人・寺田農は感嘆の声をあげた。昭和初期の完成から80年の時を経た今も、橋はなお開閉を繰り返して貨車と船を通している。文化財と呼ぶにふさわしい、港の風景だ。
古くから栄えた水運の要衝らしく、周辺には歴史的な建物も数多く残っている。その一つ、宮崎本店は、江戸時代創業の酒蔵だ。現在の建物は昭和初期の建築だが、それでも貫録十分。国の文化財に登録されても、いまだ現役。六代目の主人が大切に使っていた。
続いて向かったのは、旧四日市市立図書館。同じく昭和初期に建てられた、洋風建築物だ。外観は直線を強調した端正な佇まい。図書館の役割を譲って、今は地域の交流施設。声の旅人は、人々の賑わいを確かに聞いた。
旅の後半は、北上して桑名市へ。揖斐川沿いの、六華苑・旧諸戸家住宅を訪ねた。洋館、和館が軒を連ねる姿は、新鮮な眺め。西洋文化が流れ込んだ文明開化の時代を思わせる。合わせて文化財指定された庭園もまた、美しい。
時代は変わっても、変わらない価値がある。三重県四日市~桑名の文化財は、新たな役割を担って今も市民に愛され続けていた。