文化遺産の旅
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石川県・金沢市



今回の訪問地は、石川県。北陸の古都・金沢を訪ねて、加賀百万石の歴史に培われた文化を紹介する。

旅の始まりは、金沢城から。安土桃山時代に始まり、明治維新まで。加賀藩前田家十四代の拠点となった名城だ。城郭内には、今も江戸時代の建物が残っている。数百年の時を遡る風景に、声の旅人・寺田農も感慨無量。栄華を極めた時代に思いを馳せた。

金沢城の近隣には、前田家縁の地が多くある。加賀藩の庭園に端を発する「兼六園」、前田利家を祀った「尾山神社」、十三代・前田斉泰の母が隠居した「成巽閣」など、貴重な文化財を順に巡った。

旅の後半は、城下町に咲いた庶民の文化に焦点を当てる。東山ひがし伝統的建造物群保存地区は、江戸時代の茶屋町。出し格子が並ぶ街並みは、当時の面影を良く留めていた。加えて建物の中も、情緒豊か。郷土色溢れる伝統料理もたっぷりと紹介。声の旅人も絶賛の味だ。

旅の締め括りは、伝統芸能「南無とせ節」の実演を堪能する。五百年以上も前に始まった、と伝えられる盆踊りだ。一度は戦後に消滅したものの、人々の情熱で復活したという。郷土を愛する人がいてこそ、文化が受け継がれていく。金沢の文化は、生活の中に溶け込んで逞しく息づいていた。