文化遺産の旅
  • トップページ
  • バックナンバー
  • contents3
  • contents4

バックナンバー

滋賀県・お江の郷編





今回の訪問地は、滋賀県。長浜から近江八幡まで。琵琶湖の東岸を訪ねて、ドラマティックな歴史と文化の物語を紹介する。

旅の始まりは、長浜城から。豊臣秀吉が、初めて持たされた城郭だ。声の旅人・寺田農は、復元された天守閣を見て戦国時代への思いを馳せる。城下町の随所にも、往時の歴史が刻まれていた。

次に向かったのは、小谷城跡。戦国大名・浅井家の本拠だ。築城は、16世紀の前半。中世三大山城の一つに数えられる難攻不落の城であった。この地に生まれた浅井三姉妹の物語は、今も語り継がれている。中でも、三女・お江が辿った人生は、波乱そのもの。浅井家とお江を中心に、戦国の世に生きた人々の歩みを辿る。

旅の後半は、近江八幡市へ。秀吉の子・豊臣秀次が築いた城下町だ。町並みの保存状態も良く、国の文化遺産に指定されている。山上に上がれば、かつての城跡。湖を渡る風が、声の旅人に何かを語りかける。

眼下の琵琶湖は、水郷の里。夏には生い茂る葦も、今はオフシーズンそれでも水辺には、湖に暮らす人々の営みが感じられた。かつての近江商人たちは、城下町の楽市楽座から船を漕ぎ出したのだろう。水面を行き交う水運の賑わいが聞こえてくるかのようだ。声の旅人は、琵琶湖の畔の物語を心の奥底で聴き取った。