文化遺産の旅
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青森県みちのく編



今回の訪問地は、青森県。八戸を中心に、みちのく・南部地方の文化を紹介する。

旅の始まりは、八戸港内の蕪島から。漁業の守り神・弁財天を祀った神社に、海鳥が集う。一帯は、ウミネコの繁殖地として文化遺産に指定されていた。

声の旅人・寺田農は、種差海岸に沿って太平洋岸を南下していく。波と風が削り取った景観は、独特の名勝。かつて使われた浜小屋や漁撈用具も、文化財として保存されていた。

南部地方は、馬の生産地としても知られている。声の旅人は、牧場から寺院に至るまで、馬にまつわる文化を訪ねて歩く。

やがて辿り着いたのは、根城。かつて南部地方を治めた南部氏の拠点となった城跡だ。復元された城郭や遺構は、静かに歴史の物語を語り継いでいる。馬淵川沿いの櫛引八幡宮には、当時の武将が身に付けた鎧兜も保存されていた。豪華絢爛な意匠からは、武家文化の息遣いが感じられた。

一方、庶民の間にも文化は育まれた。南部地方に伝わる民謡と三味線を聴いて、旅人は深い感銘を受ける。
旅の締め括りは、七戸町の旧郵便局舎。昭和初期から五十年の長きに渡って人々と共に生きた文化遺産だ。
その佇まいは、郷土の歴史そのもの。今も良好な保存状態に、青森の人々の温かな愛情が感じられた。