文化遺産の旅
  • トップページ
  • バックナンバー
  • contents3
  • contents4

バックナンバー

岐阜・長良川編



日本各地の文化遺産を訪ねる旅番組。知られざる文化の紹介はもちろん、有名な文化も新たな角度から光を当てる。声の案内役は、俳優の寺田農。旅人の視線で、驚きと感動を共有していく。

今回の訪問地は、岐阜県の長良川流域。美濃市と関市を中心に、清らかな水が磨いた文化を紹介する。

旅の始まりは、美濃市美濃町の伝統的建造物群保存地区から。 屋根の形に特徴のある「うだつの上がる町並み」を巡る。江戸時代の商家町をそのまま残した外観だが、家の大部分は今も商店などに活かされている。

続いて訪れたのは、手漉き和紙の工房。美濃は奈良時代から続く和紙の里。長良川の清流が育んだ美濃紙は、文化遺産にも指定されている。紙を漉く工程は、繊細の極み。出来上がった和紙の意外な使い道にも、新鮮な驚きがある。

一方、水は電力の源にもなった。美濃市郊外の長良川発電所は、明治時代末の建築。百年の時を経て、なんと今も現役。レンガ積みの水路橋から流れ込んだ水を用いて、近郊の家々に灯を灯していた。

声の旅人・寺田農は、美濃市を後にして隣の関市へ。古くから刀の産地として知られた土地だ。刀鍛冶の工房で、刀の製造工程を見て驚愕。古武道さながらの緊迫感と、厳かな佇まいに息を呑む。

旅の締めくくりは、関市の小瀬鵜飼い。千三百年の歴史を誇る伝統漁法だ。夕暮れとともに始まる鵜飼いの準備は、あまり紹介されたことのない風景。長良川の水音が、声の旅人をいにしえの夜に誘う。