文化遺産の旅
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北海道・函館編




第1回の訪問地は、北海道函館市。幕末から明治〜大正〜昭和と、常に新しい文化を受け入れてきた土地だ。

その発端となったのは、黒船を率いたペリーの来航。一気に花開いた西洋文化によって、街は異国情緒に彩られていった。声の旅人・寺田農は路面電車に乗って、洋館や教会など歴史的洋風建築を巡る。

一方、函館の人々も西洋文化の影響を色濃く受けた。写真家となって、時代の移ろいを撮り始めた人。東京から移り住んで、洋食レストランに道を見いだした人。さらには、事業の成功を糧に、郷土の近代化を支えた人…。様々な人々の夢と情熱を、貴重な歴史資料と共に紹介する。彼らの辿った人生に共通していたのは、何事にも挫けない開拓者精神だった。

もちろん、現在の函館を守る人々のインタビューも忘れない。先人が築いた文化遺産を保存するために、様々な気遣いと工夫をこらしていた。誇りに満ちた語り口からは、溢れる愛情が感じられる。

旅の締め括りは、五稜郭。誰もが知っている名所だが、意外に知られていないのは歴史の物語。新撰組副長・土方歳三と五稜郭の数奇な運命を通して、幕末から明治維新に揺れる日本を描く。歴史の流れに抗った土方は、何を思って函館の地を踏んだのだろうか。声の旅人・寺田農は、土方の心意気に想いを馳せる。