BBC地球伝説

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ストーリー

地球誕生の謎に迫る!前編

BBCプレゼンターのリチャード・ハモンドが、地球と宇宙誕生の謎に迫るシリーズ全2回。前編は、地球誕生について送る。
太陽系で生命が存在するただひとつの惑星、地球。このかけがえのない私たちの星は、どのように誕生し、生き物が暮らすことのできる環境になったのか?
番組では「実際に地球を作ってみよう」というユニークなコンセプトのもと、その成り立ちを探っていく。舞台となるのは、広大な砂漠にそびえたつ超巨大な仮想の塔「地球建設タワー」。そのひとつひとつを組み立てていくように、大迫力のCGで地球創造の現場が描かれる。またリチャードは各地の研究者たちとともに、さまざまな実験を通して、地球ができるまでの仕組みを分かりやすく解説。無重力状態を体験したり、人工のマグマを作ったり、隕石(いんせき)の衝突によってできたクレーターを訪れたりしながら、地球の作り方を楽しく紹介する。果たして、地球誕生に秘められた謎とは?

太陽系で地球だけに生命が存在するのはなぜだろう? その謎を探るべく、リチャードは地球を作ってみることにする。向かったのは「地球建設タワー」。この仮想の巨大な塔の上で地球の誕生を再現するのだ。
まずは材料集め。93台の大型トラックが運んできたのは、鉄、酸素、砂、そしてマグネシウム。分量は地球に含まれるのと同じ割合。地球の93%が、この4つの物質でできているのだ。建設タワーのてっぺんに登ったリチャードは、これらの材料を粉々にして混ぜ合わせる。地球の始まりはチリとガスだったからだ。
では、何がチリとガスを固めたのか? リチャードは無重力状態を体験するために空軍機で上空へと飛び立つ。すると、ガラスの容器に入れたコーヒーの粉が静電気で固まりはじめた。これと同じことが宇宙でも起こったのだ。ただ、静電気では小さな塊にしかならない。さらに他の力が必要だ。
その力とは、重力。建設タワーで重力を加えてみると、無数の小さな塊がぶつかり、くっつき、ひとつの大きな塊になりはじめた。大きくなるほどに重力は増す。隕石(いんせき)との激しい衝突を繰り返したその塊は、やがて惑星へと成長していった。
しかしまだ表面は高温のマグマの海。隕石(いんせき)が衝突する時、大量の熱が発生していたからだ。地面を固めるには冷やさなければならない。リチャードは隕石(いんせき)の落下を止める。あとは水が必要だが、もともと地球を形作ったチリの中には水分が含まれていた。その水分が火山の噴火により水蒸気となって雨雲をつくり、海ができたのだ。さらに、バクテリアの光合成により生命に適した空気もつくられた。
青い地球の完成だ。しかしグラグラと揺れ、安定しない。NASAへ向かったリチャードは、月の石を持ち帰った宇宙飛行士ハリソン・シュミットに会う。現在の地球が安定しているのは月の重力が働いているためだった。地球に月を与えるリチャード。こうして生命誕生への道が開かれたのだった。