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ストーリー

世界初 ジャガーを野生に帰せるか

野生のジャガーが激減するブラジルで、母親を亡くし人間に育てられた3頭のジャガー。野生に帰すことが成功すれば、「世界初」となる。
2年後、再び森に放たれた3頭の運命は…?

世界各地で絶滅の危機にある野生動物、ジャガー。南米ブラジルでも事情は変わらない。農地開発による森林の減少に加えて、毛皮目的の密猟もいまだに後を絶たず、牛を襲うジャガーを迷惑な存在と考える牧畜業者に殺されるケースも相次いでいる。
そんな中、母親を失ってしまった3頭のジャガーの赤ちゃんがブラジルの森で保護され、動物生態学者レアンドロ・シルベイラ博士とその妻アナによって飼育されることになった。博士はブラジルにおけるジャガー研究の第一人者で、25年前に基金を設立し、ジャガーの保護活動を進めてきた。夫妻はオスをシャバンチ、メス2頭をそれぞれマーヤ、キーラと名付け、わが子のように深い愛情を注ぎ育てながら、野生に帰すため、自らの力で獲物を捕ることができるようにさまざまな訓練を重ねていく。
そこにもう1頭のジャガーが運び込まれてきた。その大人のメスのジャガーは、車に跳ねられ道端に倒れていたが、脳しんとうを起こしただけで重いケガはなく、すぐに森へ帰されることとなった。博士はメスの無事を祈りながら、首に衛星発信器を取り付け森へ放つ。だが、しばらくして信号の移動が止まる。不安の中、信号の止まった場所に向かった博士が目にしたのは、すでに白骨化したメスの遺体だった。メスは毒殺されたことがわかり、博士夫妻は幼い3頭の行く末にも危機感を抱く。
ジャガーの飼育を始めてから2年。立派に成長した3頭をいよいよ野生に帰す日が訪れた。期待と不安が入り混じる複雑な思いでケージの扉を開ける博士。別れを惜しむかのように何度も後ろを振り返りながら、森の奥へと向かうジャガーたち。生まれたばかりの頃から人間に育てられた彼らは、野生の中で無事に生き延びることができるのだろうか? 成功すれば「世界初」となるこの挑戦。果たしてその結末とは?