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ストーリー

宇宙の秘密 1 星の誕生

星の一生は夜空に浮かぶ壮大なドラマ。星の誕生から消滅までの一生を7つに章立て、天文学の発展の歴史とともに見ていくシリーズ全2回。
宇宙では毎日どこかで新しい星が生まれている。第1回では、星はどのように生まれ、どんな最期を遂げるのか。そして、私たちの惑星を形作った太陽の秘密に迫る。
太陽は最盛期にある星の姿。その内部では激しい闘いが繰り広げられている。内向きに働く重力と、外向きに働く核融合の闘いだ。その巨大なエネルギーが、星の一生、そして私たちの惑星、地球の運命の鍵を握っている。

星の誕生から消滅までの一生を7つに章立て、天文学の発展の歴史とともに見ていくシリーズの第1回。
夜空に輝く星は、すべてが同じではない。明るさや色がそれぞれ違うのだ。しかし、そこにはあるパターンが見受けられる。例えば、赤い光を放つのは低温の星、青い光を放つのは高温の星というように。それらのことが指し示すのは、星の一生のライフサイクル。星も私たちと同じように、誕生し、成長し、そして最後には死を迎える。夜空にきらめく光の1つ1つが、自らの命を燃やす星の姿なのだ。そして、それを明らかにしたのが、あらゆる星を表面温度と絶対等級で分類したヘルツシュプルング・ラッセル図だ。壮年期の太陽は、星の大部分を占める主系列というグループに入っている。
星の一生はガス雲の中で始まる。何かの衝撃でガスやチリの密度が高まり、そこにますます多くの粒子が集まってくる。ある温度に達すると、核融合が起こって星が誕生する。核融合は星に命を与えている反応で、4つの水素原子が融合してヘリウムとなり、その時に莫大(ばくだい)な量のエネルギーを放出する。地動説を唱えたコペルニクスや、黒点の観察から太陽が回転する天体であることを発見したガリレオ・ガリレイによって、太陽もそんな星の1つであることがわかった。
太陽のような恒星が誕生するとき、残ったチリやガスが円盤状になり、惑星が生まれる。そして、太陽から吹き出す太陽風が保護膜のようになり、有害な宇宙線から惑星の生命を守っている。また、私たちは太陽エネルギーの恩恵も受けている。
しかし、最盛期である太陽も、今後、老年期になると一変する。中心核の水素を使い尽くして赤色巨星となり、膨張して地球を飲み込んでしまうのだ。そんな赤色巨星の中心部では、私たちに欠かせない炭素と水素が作られている。最も破壊的な星は、創造の星でもあるのだ。
こうして壮大な一生を終えた星の燃えかすが、白色矮星(わいせい)だ。太陽より大型の星は、最期に超新星爆発を起こし、その後に残るのが謎に包まれた中性子星やブラックホールだ。そこには宇宙の始まりについての手掛かりが秘められていた。