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ストーリー

大自然の宝庫 北極圏を行く アラスカ・海の恵み

冒険家のブルース・パリーが、厳しい寒さの中で暮らす人々や動物たちとのさまざまな出会いを通して、北極圏の今を伝える5回シリーズ。
第2回はアラスカ。ブルースは、世界で最も多くサーモンが捕れる漁場で漁をする一家と、海底に眠る金を求めて極寒の海に潜る親子、北部で伝統的なクジラ漁を続けるイヌピアック族に出会い、さまざまな海の恵みによって生活する人々の暮らしを知る。

冒険家ブルース・パリーが足を運んだのは、北米大陸で最も手つかずの大自然を誇るアラスカ。ここで暮らす人々は、海の恵みからの恩恵をいっぱいに受けながら、今なお昔ながらの暮らしを大切に守り続けている。
まず訪れたのは、漁業で莫大な富を得ているカバーナ家の人々。世界一サーモンが捕れる漁場で、家族はたった1隻の船で毎日1万5千キロ、およそ1万2千ドル分の魚を捕っている。2人の子供は学校に行かず漁を手伝い、両親も子供時代を海の上で過ごしていたため、同じ環境で子供を育てられることに喜びを感じている。3カ月間、家族は洋上で漁を続け、1年の残りはすべて休暇にあてるという生活を送っている。一帯の魚を根こそぎ捕るような漁にブルースは驚くが、実は個体の数は守られていて、しかも海底を傷つけない海に優しい漁だった。
次に訪れたのは、金を求めてベーリング海に潜っているスティーブとスペンサー親子。極寒の海に潜る2人は、ゴールドラッシュ時代を思い起こさせるような熱意を持って海底の金を採っていた。ブルースも温水がめぐる特殊なウエットスーツを身につけ、彼らの案内で海底の金を採る。そして、たった1時間あまりで集めた金が、およそ200ドルにもなることを知り、なぜ彼らが熱意を持ち続けられるのかを理解する。
続いて、ブルースはアラスカ北部のイヌピアック族の村を訪れた。国際的に捕鯨が禁止されている今も、彼らは許可された頭数のクジラを捕っている。クジラ漁はイヌピアック族に長年伝わってきた大切な伝統、撮影によって彼らの漁が誤解されるのを心配した村人は外部の人間を警戒する。しかし、海への思いが通じたのか、次第にブルースに心を開き、守り続けてきた伝統と村の共同生活について語ってくれた。
北極の海がもたらす豊かな自然は、多くの富を与えているが、その背景には長年培われてきた伝統がある。ブルースは取材を通じて、海の恵みによって生活する人々が今なお守り続けている大切なものを理解する。