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ヒマラヤ・野生のトラ~最後の聖域に挑む~
「わずかな手がかり」
かつて"哺乳(ほにゅう)類最強"と呼ばれた野生のトラは、多くの密猟者の手にかかり、現在では絶滅が危惧されている。そんな人知れずひそむと言われる野生のトラを救おうと、動物学者や探検家、カメラマンなどによってプロジェクトチームが結成された。そして今回、チームはヒマラヤのジャングルや山々に立ち入る貴重な機会を得て、トラの調査活動に乗り出した。
プロジェクトの内容は、西はネパールから東はミャンマーまで、全長約3200Kmに及ぶ広大な地域で孤立して生きるトラたちを自由に移動させ、安定した生息環境を作ろうという壮大な計画。その中核となるヒマラヤ最後の秘境・ブータン王国には、果たしてどれだけのトラが生息しているのか。トラの保護活動に生涯を捧げる世界的権威アラン・ラビノヴィッツのもとに、計画に賛同する動物学者、探検家、カメラマンなどが集結。神秘に包まれたブータン王国のジャングルを拠点に、各メンバーたちは危険が伴う未開の奥地へと向かった。
番組では、ひょうに降られ、激流に行く手を阻まれ、呼吸さえままならない高山で聞き込み調査を行うなど、大自然を相手に闘うプロジェクトチームの姿を全3回に渡ってお届け。初回となる今回は、徐々に明らかになってくるブータン王国のさまざまな生態系を紹介。数々の希少動物が発見される中、希望の光とも言うべき映像を手に入れる。
ヒマラヤ山脈全域でトラを保護・繁殖させていくという壮大な計画。その成功のためには、トラの生息状況が謎に包まれたブータン王国で、トラを発見する必要がある。生態調査を行うべく世界各国から集まったネコ科動物の専門家や野生動物のカメラマンたち。彼らは、野性のトラを救う最後のチャンスとなるかもしれない調査に乗り出した。
調査チームのリーダーであるアラン・ラノヴィッツは、生涯をトラの保護に捧げてきた。しかし、持病を持つ彼には時間が残り少ない。今回の調査はアランにとって、人生をかけたプロジェクトでもある。だが、トラは野生動物の中でも最も発見することが難しい動物のひとつ。チームは大自然と闘いながら必死にトラを探さねばならない。突然の大雨とともにひょうに襲われ、呼吸さえままならない山岳地帯では、高山病にかかる危険にさらされながら原住民への聞き込み調査を行い、監視カメラを設置する。
地道な調査を続ける中、徐々に嬉しいニュースが舞い込んでくる。特別な訓練を受けた捜索犬がトラのふんを発見、高い木の上から監視を続けるカメラマンやキャンプ付近に設置したカメラが、トラの餌となる野生動物の撮影に成功した。ヒマラヤ山脈の秘境ブータン王国は、野生動物の最大の敵である密猟者たちによって荒らされていない、最後のトラの楽園であることが分かったのだ。
そして、調査チームが見守る中、監視カメラの映像に野生のトラの生息を予期させるわずかな手がかりが発見される。