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聖なる山・ヒマラヤ 神秘の大自然
アジアを横切るように東西を約3200kmにわたって横たわる、地球上で最も大きな山脈、ヒマラヤ。標高8000mの山頂付近は空気が薄く、そこは永久凍土と雪に覆われた極寒の地。しかし、とても過酷で生物が生息できない場所のように見える一方で、実は驚くほど豊かな生態系を育む野生動物の宝庫でもある。
今回、ヒマラヤ山脈周辺の国々を、季節の移り変わりと共に西から東に移動しながら、ヒマラヤの恩恵を受ける文化や、その土地に生きる野生動物の生態を紹介する。
地球上で最も巨大な山脈、ヒマラヤ。この場所は実に多くの生物を育み、私たちの文明にもたくさんの恩恵を与えてきた場所である。今回は季節の移り変わりと共に、西から東に向かって進む撮影の旅。そのスタート地点となる冬のパキスタンでは、撮影が困難だと言われるユキヒョウやオオカミ、イヌワシなどの貴重な野生動物たちの営みを、また、氷となった雪が山から滑り落ちるころには、ヒンズー教徒たちが雪解け水で水浴びをする光景を見ることができた。
やがて春が訪れると、パキスタンの東では草花を食べるサルやジャコウジカが現れる。クレオパトラの時代から、香水として人類に愛されてきたジャコウジカの香り。悠久の時の流れがそこにあった。
インドに入った撮影カメラは、気流を利用してエベレストの上空を飛び越えるインドガンの生態に迫る。そして、鳥たちの姿を追いながらチベットへ。アジアを流れる4つの主要な川の源流地点となっている高原地帯では、さまざまな哺乳(ほにゅう)類たちが活動期に入り、狩りや縄張り争いが繰り広げられる。7月、突如として気温が下がって雪が降り始め、これがきっかけとなりアジアの肥よくな大地を作る雨季が到来する。
世界の屋根、ヒマラヤの豊かな大自然。その恩恵を受けるさまざまな生物や人類の文化を貴重な映像で紹介しながら、自然と文明のかかわり、野生動物たちの生態をお届けする。