ナチュラルワールド・スペシャル
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ナチュラルワールド・スペシャル
魅惑の庭師鳥
©BBC
地球上の動植物及び自然環境全般に焦点をあてて作られたシリーズ。
動物ものの番組制作や執筆活動で高い評価をされているデビッド・アッテンボロー氏が、南半球のオーストラリア大陸とニューギニア島に分布する一風変わった鳥、ニワシドリの生態を紹介する。
ニワシドリはその名の通り、庭のような建造物を造り、メスへの求愛の舞台とする鳥である。様々なニワシドリの作品を鑑賞しながら、その生態に迫る。
最もシンプルな庭を造るのが、ハバシニワシドリ。緑の葉が地面に敷き詰められている。何の工夫もないように見えるが、実際には、すべての葉が裏側を向いている。パプアニワシドリの庭は、派手なデコレーションが特徴である。クリスマスツリーのように木をダイナミックに飾り付け、甲虫の鞘羽やフキナガシフウチョウの飾り羽を敷き詰める。また塔となる若木を中心に、飾り付けを施した庭を造るのはカンムリニワシドリ。垂直に立てられた二本の垣根の間に通路を作り、その前に宝を飾る種もある。その建造物の形は実にバラエティー豊かである。
究極の庭師は褐色の鳥、チャイロニワシドリ。屋根つきの建造物は色とりどりの花や果実で飾られ、その美しさは芸術的である。ときどきニワシドリのオスは、ライバルとの競争に負けないよう、他人の庭を破壊したり盗みをはたらいたりする。彼らの奮闘の陰には、交尾に成功するのが十羽に一羽以下という厳しい現実がある。メスを魅了し、生殖活動を通じて子孫を残す。これはオスが生まれながらにして持つ本能であるが、力や見た目の美しさではなく、芸術的センスや贈り物で異性を魅了しようとする動物が人間以外にもいるという点が興味深い。