BBC地球伝説

古代ローマの至宝～歴史を刻む美しき遺産～　
３　帝国の衰退

古代ローマの芸術を紹介しながら、何世紀にもわたってヨーロッパやアフリカの国々を支配し帝国を築き上げた古代ローマの足跡をたどるシリーズの第３回。
芸術と文化をうまく利用しながら勢力を広げていったローマ帝国。数百年もの間、多くの領土を支配していたが、自分たちの文化を押しつけたりはしなかった。むしろ異文化をうまく取り入れてローマの文化と融合させ、さらに勢力を広げていった。その様子がアフリカやエジプト、イギリスなどの遺跡に残されている。しかし３世紀に入ると、ローマ帝国の属州が力をつけ始め、帝国は危機に陥る。経済が混乱し、国力が衰え始めたローマの歴史に迫る。

第３回は、北アフリカのリビアに残されているローマ帝国の遺跡や、イギリスの大英博物館、イタリア北東部にある聖堂などを訪れ、繁栄が頂点に達した後、次第に衰退し始めるローマの歴史を追う。
ローマ帝国は、何世紀にもわたって北アフリカを含む地中海沿岸諸国を支配してきた。しかし、ローマは属州に対し、自分たちの文化や考え方を押しつけることはしなかった。帝国に忠実でさえあれば、それぞれの文化や宗教を認めていたのだ。むしろ、ローマの人々は異文化を取り入れ、自らのものとうまく融合させ、新しい芸術を生み出したのである。帝国が芸術と文化を上手に利用しながら勢力を広げていった様子が、アフリカやエジプト、イギリスなどの遺跡に今も残されている。
しかし、数百年もの間、絶対的な権力を誇り、多くの領土を支配してきたローマ帝国だったが、３世紀に入るとその繁栄に陰りが見え始める。アフリカなどの属州が次第に力をつけ、帝国を脅かす存在になってきたのだ。そして、ついに国境周辺でローマ帝国と属州の戦いが勃発。３世紀末、支配権の危機は帝国全体を揺るがそうとしていた。
そこでローマ帝国は、国を４つに分けて４人の将軍に統治させるという作戦に出る。権力を分担することで、内戦を防ごうとしたのだ。しかし、この試みは長くは続かず、４人の統治者たちは戦争を始めてしまう。こうして、ローマ帝国は崩壊へと向かっていったのである。
経済が混乱し、国力が衰え始めたローマの歴史に迫る。