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ストーリー

古代ローマの至宝~歴史を刻む美しき遺産~ 
1 紀元前ローマの栄光

古代ローマの芸術を紹介しながら、何世紀にもわたってヨーロッパやアフリカの国々を支配し帝国を築き上げた古代ローマの足跡をたどるシリーズ全3回。建物や彫刻などを通して、古代ローマの繁栄と衰退の歴史をひもといていく。第1回は、一都市国家から巨大国家へと成長した紀元前のローマに迫る。
古代ローマの歴史は、紀元前753年に始まった。王が治める王政期をへて、紀元前509年から500年近くもの間、ローマは貴族と市民が協力して統治する共和国の時代を迎える。
巨大国家へと成長した共和制ローマ。その500年の歴史が生み出したのは、実物に忠実に作られた"遺産"の数々。この時代に作られた権力者たちの彫像は非常に写実的、つまりリアルなのが特徴だ。シワやたるみを隠さず、実物そのままに作られた胸像やブロンズ像が数多く残されている。
次々と領土を広げていった共和制ローマが生み出した"遺産"の数々を追う。

第1回は、ローマのカピトリーノ美術館や、ロシアのエルミタージュ美術館、ナポリ近郊のポンペイにある遺跡などを巡り、一都市国家から巨大国家へと成長した紀元前のローマに迫る。
古代ローマの歴史は、紀元前753年に始まった。そして紀元前509年、それまで続いていた王政が終わりを迎え、ローマは貴族と市民が協力して統治する、共和国の時代を迎えた。共和制ローマは次々と領土を広げ、紀元前3世紀までにイタリア半島を統一。その後、その支配はギリシャにまで及ぶ。
この時代のローマは、シワやたるみを隠さない、写実的な彫像を数多く生み出した。政治家や権力者たちだけでなく、名もない人物のブロンズ像までも、細部に至るまで非常にリアルに作りあげられている。また、当時作られた彫像には、人間の肌に近い色の顔料が塗られていた。そして紀元前1世紀初頭、共和制ローマは最盛期を迎える。その当時のローマの芸術がいかに高い水準にあったか、ポンペイにある遺跡から見てとれる。
紀元前27年、ローマ帝国の初代皇帝となるアウグストゥスの登場で、ローマは共和政から帝政へと移行。アウグストゥスはそれまでのような写実的な方法ではなく、自分を美化し、理想的な顔に修正した肖像画を作らせた。こうして500年にわたって刻まれてきた共和制ローマの栄光は、終わりを告げたのである。