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ストーリー

古代の黙示録:クレタ文明崩壊の謎

今から3500年前、エーゲ海を臨むクレタ島に栄えていたクレタ文明が、謎めいた終幕を迎えた。文明崩壊の謎を解明すべく、地質学者フロイド・マッコイが現地を訪れる。以前から最大の原因とされているのが、クレタ島の沖合いに浮かぶ島・テラ島(現在のサントリニ島)で起こった火山の大爆発である。この爆発を起点とし、それに伴う大津波の発生や、火山灰や二酸化硫黄の流出による気候変化、そして気候変化がもたらす作物の不作が、クレタの国を襲うこととなる。ドミノ倒しのように続いていく自然連鎖。それにより衰退はしたもののかろうじて生き残ったクレタ社会。しかしそこに生きる人々は混乱に陥り、やがて…。マッコイが旅を続けるにつれ、新事実が次々と明らかになっていく。

3500年前、エーゲ海に浮かぶクレタ島に栄えていたヨーロッパ最古の偉大な文明・クレタ文明(別名ミノア文明またはミノス文明)が崩壊した。その豊かさと創造性により後世に語り継がれるほど優れていた伝説の文明は、なぜ終わりを迎えてしまったのか。クレタ文明の中心となっていたクノッソス宮殿の遺跡で、クレタ文明が衰退していた時期に殺されたと思われる、子供たちの骸骨が見つかった。これはいったい、何を意味しているのだろう。文明人である彼らが自分たちの子供を犠牲にしたのは、果たしてどんないきさつからだったのだろうか。
ハワイ大学教授の地質学者フロイド・マッコイが、その謎を解明するための旅に出る。以前から最大の原因として目されていたのが、クレタ島の沖合いに浮かぶ島・テラ島(現在のサントリニ島)で起きた大規模な火山の爆発である。教授は、各分野の専門家たちの研究結果を聞きながら、自身の仮説に裏づけを与えていく。
大爆発でテラ島はバラバラになり、その影響で起こった大津波はクレタ島をも襲った。さらに、軽石や火山灰の雨が降り、二酸化硫黄が大量に大気中へ流れ出たことにより気候が大きく変化し、植物の成長は止まり、作物は実らなくなった。この影響は、クレタ島をふくめ、地球全体にも及んだ。このテラ島の火山大爆発に続く一連の自然災害により、クレタ帝国は大きな打撃を受けた。自然の猛威の前にひざまずいたクレタ文明だが、ギリシャ軍に侵略され完全に崩壊するまでは、その後さらに数十年を要することとなる。そのあいだ、クレタの人々にいったい何が起こったのだろうか。発見された子供たちの骸骨は、この時期に何かがあったことを物語っているのか。教授はこのパズルの最後の1ピースを見つけだし、クレタ文明崩壊の全貌を明らかにすることができるのだろうか…。