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飯田水引(いいだみずひき)

古き良き時代の熟練職人による“ものづくり”にフォーカスを当て、今と和えるライフスタイルを提案する番組第37回目は、「飯田水引」の世界へご案内します。水引とは、ご祝儀袋を彩る糸状の和紙。伝統技を受け継いで作られる一本のしなやかな水引が、細工職人の手によって美しく姿を変えるのです。
 その歴史は飛鳥時代まで溯ります。遣隋使の小野妹子が帰国した際、隋からの贈り物に航海無事の祈りを込めた紅白の麻紐が結ばれていたことが、日本の水引のルーツと言われています。その頃は麻が使われていましたが、やがて室町時代になると和紙が使われ、江戸時代になると、現在のような丈夫な水引になったと言われています。なかでも長野県飯田市は日本有数の水引の生産地として、その技術を守り続けています。なぜこの地に水引が根付いたか、それは当時の暮らしを紐解けば納得。現在とは用途の違う水引作りがなされていたのです。
 今回取材をしたのは、「野々村水引店」。飯田で唯一の手こき職人の技に密着。先代から受け継いだ伝統技術を頑に守る職人に密着します。和紙の微妙な変化や、束になった和紙の一本一本に注意を払う集中力と、経験で培われる感覚、門外不出の作業によって完成する水引は、色、艶、コシが特徴。その水引を結う作業も美しい製品を作れるようになるまで長年の下積みが必要な伝統技。冠婚葬祭を飾る装飾品として知られる水引には、実は奥深い物語があったのです。 
 今回番組では、人が集まる場で役立つ、パーティー用小物をオーダー。日本の伝統美に触れながら、テーブルの上がひときわ華やぐ逸品です。