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肥後象がん
古き良き時代の熟練職人による手仕事の賜物である工芸品にフォーカスを当て、今と和えるライフスタイルを提案する番組第14回目は、「肥後象がん」の世界へご案内します。
肥後象がんの始まりは、今から遡ること400年前。江戸時代の武具として発展しました。武士が使用する刀の鍔や銃身の部分に金の細工が施され、男性の美意識を高める道具でした。
明治以降になると、肥後象がんの人気は一変。廃刀令が発令され刀の需要は低迷し、第二次世界大戦では金属供出が技術の伝承に追い打ちをかけます。衰退に歯止めをかけた職人は現代に合う商品を排出し、ネックレスなどの装飾品から、万年筆などの文房具まで日用品へと姿を変えました。日常により近く、重厚で良質なデザインが肥後象嵌の魅力を保ち続けています。
その魅力を作り上げる肥後象がんの製造工程は、息をのむほどに美しく繊細。模様を刻む心地よい金槌音と、細やかな手仕事はまさに職人技。丹念に仕上げられる作品には、受け継がれてきた日本の“ワビサビ”が隠れていました。
形を変えて人々に寄り添い続けてきた「肥後象がん」で番組が提案するのは、紙をとめるためのあの製品。家でも職場でも、どこでも必要とされるあの文具アイテムです。