ありがとう

「吉田兄弟　～響け三味線！ありがとうを音色に込めて～」

今年デビュー１５周年を迎える津軽三味線演奏家、吉田兄弟。２歳違いの兄・良一郎と弟・健一は平成１１年のデビュー以来、平成１３年第１５回日本ゴールドディスク大賞 純邦楽アルバム・オブ・ザ・イヤー受賞、平成１５年第１７回日本ゴールドディスク大賞 日中国交正常化３０周年記念特別賞受賞など日本国内のみならずアメリカ、ヨーロッパなど世界中を飛び回り演奏を繰り広げている。
今回、兄弟二人が「ありがとう」を伝えたい相手は故郷・北海道登別に暮らす両親、父・誠一、母・良子だ。４人家族の吉田家、兄弟はそれぞれ５歳から父のすすめで三味線の稽古を初めた。父は時に熱心な指導で兄弟と対立した。「だったら、お父さんが弾いてみてよ！」と反発する息子達に「俺は弾けないが、聞く耳は持っている」と返した父。実は若い頃、父も津軽三味線を志したことがあり、息子たちに夢を託したのだ。父からのアドバイスの言葉には説得力があり、更なる闘志を燃やし奮起したと兄弟は懐かしそうに語る。一方、母は「周りの友達みんなと同じ事もさせてあげたかった」と語る。兄弟に息抜きができる時間を確保する事を心がけていたという。一度決めたら猪突猛進、息子たちの先頭に立ち突き進む父と、いつも父子を見守りながら、やさしく支え続けた母。兄弟の原点には父母の存在があった。数年前、兄弟は実家の改築を両親にプレゼント。家の中に二人が大会で勝ち取ったトロフィーが並び、ステージのある部屋が…。デビューから１５年前、一度も兄弟そろって帰省したことはなかったという。今回は父の希望だった自宅ステージで感謝の思いを津軽三味線の音色にのせて届ける。