百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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官兵衛ゆかりの名別荘
~小田原城内に建つ「清閑亭」~

今回は神奈川県の小田原市にある「清閑亭」を訪ねます。北条氏の城下町であり、東海道屈指の宿場町だった小田原。そんな小田原市の名建築を2回にわたりご紹介します。第1弾の今回は、名軍師黒田官兵衛の末裔である黒田長成侯爵が、小田原城三の丸土塁に築いた別邸「清閑亭」を拝見。明治末の竣工とされる清閑亭は、当時の別邸建築を知る貴重な遺構として、国登録有形文化財と国の史跡に指定されています。清閑亭の大きな特徴は、西棟と東棟という雁行した2つの棟から構成されている点です。通常建物は、接客棟と生活棟とに分けられていますが、清閑亭ではそれぞれの棟に公私両方の機能をもたせています。そのため西棟は主人用、東棟は夫人用だったと考えられ、まさに別邸建築ならではの造りとなっています。その特徴は主人の私的空間として増築された東棟の2階にも見られます。階段を上がると現れたのはなんと洗面台。和室二間の2階だけでも生活できる造りとなっているのです。さらに大きな魅力は立地を活かしたその眺望。かつて黒田官兵衛が北条氏を無血開城に導いた石垣山一夜城跡を正面に望むことができるのです。名軍師の末裔が建てた清閑亭は、貴重な歴史遺産です。

取材先情報

小田原邸園交流館 清閑亭

神奈川県小田原市南町1-5-73 TEL:0465-22-2834
開館時間:午前11時から午後4時まで
休館日:毎週火曜日、年末年始(ほかに、臨時休館あり)
入場料:無料
アクセス:JR、小田急線、大雄山線、箱根登山線「小田原」駅より徒歩15分
※駐車場はありません

※上記以外の情報については、公開出来ません。