百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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"絹の道"の豪邸 第1弾
~近代化の歴史を物語る「岸家住宅」~

今回は養蚕で栄えた大邸宅を訪ねます。養蚕は幕末の横浜開港後、急増した生糸貿易の需要を支えてきました。生糸が運ばれる横浜への道程は、近年「絹の道」と称され注目を集めています。その周辺には財を成した大型養蚕農家が次々と豪邸を建て始め、生糸のもたらす莫大な繁栄を誇示しました。そこで今回から2回にわたり、そんな「絹の道」に建つ邸宅をご紹介します。第1弾は厚木市屈指の大規模養蚕農家だった「岸家住宅」。厚木は横浜に近接しているため、いち早く最新文化に接する機会がありました。そのため明治24年の創建以降、2度にわたる改修増築が行われ、その都度近代的な変貌を遂げています。創建当時の伝統的な農家住宅をベースに、近代化の象徴とも言えるガラスを多用し、モダンなデザインの中に組み込んでいます。中でも注目は色ガラス。2階の座敷に広がる赤い市松模様の色ガラスは、他では見られないほどの異彩を放っています。部屋ごとの様式も多岐に及び、数寄屋風や寺社風、さらに洋室までをも増築し、「混在並存」とでも言うべき世界が広がっています。日本の近代化を支えた生糸産業。岸家住宅は、まさにこの一軒で近代化の歴史を物語る貴重な豪邸です。

取材先情報

岸家住宅(厚木市古民家岸邸)

神奈川県厚木市上荻野792-2 TEL:046-291-0201
開館時間:
午前10時から午後3時まで(10月から3月)
午前10時から午後5時まで(4月から9月)
休館日:
毎月の月、火曜日(月曜日か火曜日が祝日のときは翌日の平日)、
9月2日~4日、年末年始、その他臨時休館日があります。
※臨時休館日についてはホームページや郷土資料館ニュースでお知らせいたします。
入館料:無料

※上記以外の情報については、公開出来ません。