百年名家~築100年の家を訪ねる旅~
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角川書店創立者の名邸 ~荻窪・文化人たちの豪邸巡り~
今回は杉並区の荻窪を巡ります。かつての農村地帯であった荻窪周辺は、明治後半から荻窪駅の開設や道路整備などによる住宅地開発が進められ、多くの文化人が邸宅を構える住宅地へと変貌しました。そんな荻窪に残る名家の中で、まず訪れたのは日本の音楽評論家の草分け的存在である、大田黒元雄の屋敷跡を整備した「大田黒公園」。そこで大田黒氏が仕事部屋として使っていた洋館「大田黒記念館」を拝見。設計は大正モダンの洋館建築家として有名な、前田健二郎。仕事場の他に、演奏会の会場としても利用されていました。現在でも大田黒氏愛用のピアノや蓄音機、家具などが当時のまま残されています。続いて訪れたのは、俳人で角川書店の創立者、角川源義の邸宅「角川庭園・幻戯山房」。昭和30年の竣工で、設計は源義の俳句仲間だった建築家、加倉井昭夫。外壁1階は聚落壁、2階は縦板張りのモダンな仕上がり。伝統的な日本建築の良さをいかしながら、近代的な要素を巧みに取り入れた近代数寄屋建築となっており、昭和30年代の建物とは思えない、現代でも充分通用する高いデザイン性を誇っています。かつての住宅地に建てられた、文化人たちのモダンな邸宅をご紹介します。
取材先情報
杉並区立角川庭園・幻戯山房~すぎなみ詩歌館~
東京都杉並区荻窪3丁目14番22号 TEL:03-6795-6855
開館時間:午前9時から午後5時
休園日:毎週水曜日 12月29日から1月1日
杉並区立大田黒公園
東京都杉並区荻窪3丁目33番12号 TEL:03-3398-5814(管理事務所)
開園日:1月2日から12月28日
開園時間:午前9時から午後5時(入園は午後4時30分迄)
施設:
茶室
記念館(午前9時から午後4時公開)
※上記以外の情報については、公開出来ません。