百年名家~築100年の家を訪ねる旅~

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商人の息づかいが残る街 ~蔵の街・栃木~

今回の百年名家のテーマは「蔵」。
ということで八嶋智人さんと黒田知永子さんの二人が訪れたのは、「蔵の街」として知る人ぞ知る栃木県栃木市。その歴史を紐解いていくのが今回の旅の目的です。

栃木市が「蔵の街」として発展したのは、巳波川(うずまがわ)の舟運を利用した北関東有数の商都であったからです。栃木の発展の原動力はこの巳波川。江戸までつながっているこの川を利用して木材や麻を運び、江戸からは日光御用の荷や塩を運びました。
舟運は江戸の初め頃から利用され、江戸後期には栃木の商人達は隆盛を極め、巳波川の両岸に沿って白壁土蔵を建てていきました。栃木の蔵の街並みは、かつての栄華を極めた豪商達の歴史が築いたものなのです。

そこで二人の旅は、巳波川の舟旅から始まります。川の両岸に広がる江戸の町並み。まさにタイムスリップしたかのような江戸風情です。
また栃木は日光東照宮へ向かう例幣使街道の宿場町でもありました。例幣使街道沿いには「見世蔵」が立ち並んでいます。見世蔵とは江戸時代以降に発展した商 家建築の様式の一種で、土蔵の技術を応用し、店舗兼住宅として使うことを目的として建てられています。江戸当時は約400蔵もあったそうです。そんな見事 な見世蔵の町並みを、案内人の殿塚さんに連れられて散策しました。

創業200年以上の紙屋さんを訪ねてみると…目に付いたのは50メートル以上ある長いたたき。お店から住居を通って裏にある蔵までつながっているたたきは、栃木の見世蔵の特徴のひとつ。

さらに大名屋敷や欅の一枚板の廊下が見ものの別邸翁島など当時のまま保存されている古民家も紹介します。

旅の最後は創業230年の伝統ある油伝味噌屋さんにお邪魔しました。昔ながらの手作りの味噌作りや、このお店独自の田楽を頂き栃木の歴史を感じた一日でした。