ワイルドネイチャー いきもの大紀行

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BBCスペシャル
フランスの大自然 動物たちの物語
アルプス・世界遺産の城 そしてプロバンスへ

歴史と伝統、文化や芸術で知られるフランスにはもう一つの顔がある。それはたぐいまれなる大自然。
雄大なアルプスの山々や、観光地として知られる世界遺産の城など、あらゆる場所に多くの野生動物が暮らしている。絶滅危惧種のオオヤマネコや、人間と共に行動するイルカなど、実にさまざまな動物たちに出会うことができる。
アルプスの山では、シカやオオヤマネコが必死に子育て中。大西洋岸の沖合では、「アンバサダー・ドルフィン」と呼ばれる、群れから離れて暮らすイルカが人間と触れ合い、海の中をのぞくと、昼寝をしているアザラシの姿も。
世界遺産のシュノンソー城では、白鳥がヒナたちに飛び方を教え、ハリネズミがせっせと冬眠の準備をしている。
他にも山火事に遭遇したリクガメや、群れを作る野生の馬など、動物たちが懸命に命を繋いでいく姿と、その知られざる生態に迫る。
フランスの美しくも厳しい大自然の中で、動物たちの物語が繰り広げられる。


アルプスの山々から大西洋岸の海辺まで、美しい地形に恵まれたフランスは大自然の宝庫。各地方にさまざまな野生動物が暮らしている。そんなフランスの大自然に生きる動物たちの暮らしに密着、その生態に迫る。
まずは、スイスとの国境に位置するアルプスの山へ。ジュラの森にはシカやオオヤマネコが住み、絶滅危惧種のオオヤマネコも繁殖している。リスが冬眠用にドングリを運ぼうとすると、そこにはドングリを奪おうとするイノシシの姿があった。
大西洋岸の岬では、垂直な崖(がけ)で子育てをするウミガラスに密着。ヒナをねらうカモメを警戒しながら親鳥たちは必死に飛び方を教えようとする。そして、沖合では、「アンバサダー・ドルフィン」と呼ばれる、群れから離れ人間と行動を共にすることを好むイルカが泳ぎ、海の中に目を向けると、アザラシが一日の大半を眠って過ごす。
フランス中央部のロワール川に集まるのはたくさんの渡り鳥。世界遺産であるシュノンソー城にやってきた白鳥たち。求愛のダンスによって3羽のヒナが生まれ、巣立つまでをカメラが追う。また、お城の庭では、庭園の管理をするために、害虫のアブラムシを食べてくれるハリネズミを活用していた。ハリネズミにとっても冬眠前の大事な栄養源、まさに一石二鳥の連携だ。
さらに、プロバンスの山では、リクガメが日光浴に向かう途中で山火事が発生。あわやというところで、レスキュー隊がやってきて命びろいする。
フランス南部のピレネー山脈に暮らすのは、ポトックと呼ばれる珍しい野生のポニー。彼らの特徴は群れの構成にある。1頭のオスが20頭ほどのメスを従えて暮らしているのだ。さらに、山奥にはクマも住んでいる。お腹をすかせた野生のクマは牧草地で放し飼いにされる羊を襲うため、羊を守る牧羊犬との攻防戦が始まる。
美しくも雄大な自然に恵まれたフランス。そこでは、命を繋いで懸命に生きる野生動物たちの物語が繰り広げられている。