うたの旅人

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初回放送:2010年7月30日「悲しい色やね」




歌手・上田正樹によれば、1983年の大ヒット曲「悲しい色やね」の歌詞の舞台は、「大阪の南港」だった。しかし、30年前の歌詞に漂う、やり場のない、港の行き止まりの雰囲気は、今は無い。埋め立てで出現した「ベイエリア」。新しい設備が立ち並ぶそこは、『悲しい色』を微塵も感じさせない近代的な湾岸地域である。上田正樹にとって『悲しい色』とは、どんな『色』なのだろうか?

若くして亡くなった父親の跡を継ぐべく、医師を目指した少年が、リズム&ブルースに触れたことで、ミュージシャンの道を歩み出す。母親の駆け落ち、義父へのライバル意識、ホームレスまで体験するという波乱万丈の中、ひたすらミュージシャンを目指した上田正樹。――その傷だらけの青春のまっただなか、「悲しい色やね」がヒットしたのだった。

しかし、上田は、この歌を代表曲と言われることを嫌う。これも上田正樹の『色』なのだが、彼は他にも様々な『色』を持つ。果たして、その上田正樹の『本当の色』とは?――その人生の背景と軌跡を追う。