デカン・オデッセイ号~歴史の街と絶景の海岸線・インド屈指の観光地をめぐる旅
鉄道大国、インド。総延長6万3千キロ、1日の運行本数1万4千本。デカン・オデッセイ号は、インド西部・人口1700万人を擁する巨大都市ムンバイ(旧ボンベイ)を出発して海岸線を下り、ゴアへ向かう。そしてプーナ、エローラ、アジャンタを経由してムンバイに戻るという1週間の周遊旅行。

インドの大部分は、20世紀半ばまでイギリスに植民地支配されていた。ムンバイもイギリスがつくった港町である。しかし、ポルトガルとフランスの植民地もあり、1947年の独立以後も10年余り、両国の植民地が残るなど、他の地域とは違う歴史が存在する。ゴアはポルトガル領だった都市で、フランシスコ・ザビエルが眠る場所として知られ、カトリック教会をはじめとするポルトガル風の建造物が数多く残り、また、インドの他の地域では見られない豚肉や牛肉の料理があるなど、かなり趣きが異なった地だ。

インドの鉄道はイギリスが敷設した。開設時にはカースト制度などに関連した問題もあったが、現在は交通の動脈となっている。
ヒンドゥー教の寺院や、王が造った砦、キリスト教の大聖堂、アジャンタ石窟、そして風光明媚な海岸線などを見てまわる。
デカン・オデッセイ号

ザ・ガン号~全長1キロ超ロング編成列車・オーストラリア大陸縦断の旅
“鉄道の旅最後の秘境”ともいわれる、オーストラリアのザ・ガン号に乗車する。長距離列車で大陸を横断するものは数あるが、縦断は極めて珍しい。2台の機関車と43両の車両、全長約1キロという超ロング編成の列車に乗って、2003年に開通したばかりの北半分のルート、ダーウィン~キャサリン~アリス・スプリングスまで、ノーザン・テリトリーを縦断する。

ダーウィンは、大陸北端の熱帯の街、ノーザン・テリトリーの州都。進化論で有名なチャールズ・ダーウィンにちなんで名づけられたこの街は、1974年12月、サイクロン・トレーシーで大打撃を受けるも再興を遂げた近代都市である。水辺には野生のワニも多い。近郊のクロコディラス・パークや、野生動物の宝庫かつアボリジニのロック・アートで有名なカカドゥ国立公園も訪れる。

キャサリンは小さな町。数時間の滞在中に近くの温泉などへ立ち寄れる。
アリス・スプリングスは、ウルル(エアーズ・ロック)への拠点となる街。宿泊地ユララでの贅沢なひととき、奇岩群カタジュタ、そして世界最大にして神秘の一枚岩、ウルルの魅力に迫る。

アフガニスタンから渡来し“アフガン・エクスプレス”と呼ばれたラクダの隊列がこのルートの原点であったことから、その名前がついたザ・ガン号。過酷な地理的条件のため、構想から完成まで150年を要したその歴史も織り交ぜながら、車内の設備や様子、沿線の風景も紹介する。
ザ・ガン号
ウルル(エアーズ・ロック)