辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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好みの異なる二人が設計 トトロの森のそばの家

東京と埼玉の県境にある東村山市。新宿から電車で約1時間のこの土地は、近くに里山の景色の中に多くの動植物が息づく狭山丘陵があります。
駅からほど近い「淵の森」と呼ばれる雑木林は、あの宮崎駿監督がここを散策しながら『となりのトトロ』の構想を練ったとも言われています。
今回は、そんな豊かな自然環境に囲まれたM邸を訪ねました。築27年・地上12階建てマンションにあるM邸は、その眼前に「淵の森」が広がり、バルコニーからいつでも緑が感じられる部屋です。建築家のMさんとパートナーのAさんは、Mさんのふるさとである和歌山とどこか似た緑が多いこの土地に魅了され、マンション購入を決意。部屋から眺める景色に魅かれましたが、部屋全体が暗く、機能的でなかった為リモデル前提で購入しました。
まず、リモデルの目的のひとつ。目の前の緑を部屋全体にどう取り込むことができるのか-建築家のMさんは、並んでいた二つの部屋の壁を取り除きワンルームに。自宅で仕事をする為のワークスペースとリビングに使えるよう、仕切りにはガラス板を設けました。こうすることで、どこにいても光と緑を感じられる部屋になりました。料理や家事をしながらも、「淵の森」を眺められる見事な借景を楽しめるようになったのです。
もうひとつのリモデルの目的は、自分たちの好きなものを取り入れた空間を作ること。好みが違う二人の希望を、それぞれ上手に取り入れることができました。Mさんの好みに合うよう、古くなっていたトイレは、カフェのトイレをイメージして壁一面に丸いモザイクタイルを貼りポップな印象に。廊下の電球もアッと驚く形にして訪れる人たちを楽しませています。寝室はAさん好みのテイストでまとめました。花柄の壁紙とベッドまわりのパープルを基調としたコーディネートで、まるでパリのプチホテルのよう!
来年の春に向けて、バルコニーにウッドデッキを作ろうと考えているお二人。これからも、リモデルしながら住み続けていきたいそうです。来春には、ウッドデッキから桜を愛でるお二人の笑顔が見られそうですね。

設計担当:みのり制作室
http://minori-studio.jp/

 
 
 
 

【平面図】

Before

After

Before After