辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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ワンルームなのに仕事場兼用 ロンドン仕込みの松戸の家

都心から電車でおよそ30分。古くから交通の要衝として発展してきた千葉県松戸市は、水と緑に恵まれた人気のベッドタウンです。
今回訪ねたのは、そんな松戸駅の程近くに建つ築41年のマンションです。こちらに暮らすのは、イギリス人のご主人と日本人の奥様。ロンドンの建築学校で出会ったお二人は、建築上の規制が多いイギリスを離れ、建築家としてより自由に仕事に取り組める日本を活動の拠点として選びました。そこで奥様のご実家に近いこのマンションの一室を、お二人の生活スペース兼建築事務所へとリモデルすることにしたのです。50㎡に満たない2DKの間取りが、お二人が学んだロンドン仕込みの感性と日本の伝統的な生活スタイルの融合で、可愛らしさと機能性を兼ね備えた家に生まれ変わりました。白とピンクと緑が映える美しい空間に間接照明を上手に仕込み、限られたスペースの中でも広く快適に暮らすアイデアがいっぱいのリモデルです。
1970年代に建てられたこの部屋は、もともとダイニングキッチンとふたつの和室に分かれていました。そこで各部屋を仕切っていた壁を取り払い、部屋全体が見渡せるワンルームへと間取りを変更しました。白を基調とした部屋の中で思わず目を奪うのは、鮮やかなコーラルピンクに塗装されたお二人のワークスペースです。壁一面に造った大容量の壁面収納の一部に設けたこのスペースは、収納の引き戸を閉めればその存在感を消すことが出来、仕事とプライベートの切り替えが出来るようになっています。
また、キッチンカウンターの上部には、ご主人自らの手で植物を飾るプラントボックスを造りました。そこからのぞく緑もまた、部屋にアクセントと温かみを与えてくれます。
ワークスペースの反対側には、置き畳エリアを設けました。昼はリビングの一部として、夜は布団を敷いて寝室として、来客時にはパーティースペースとして。一つの空間を多目的に使う事で、㎡数以上に広がりを感じられるようになりました。その奥にある押入は、収納するもののサイズによって細かく棚で仕切りデッドスペースを作らないようにするなど、細部にまでアイデアを注ぎ込むことで快適な住み心地を実現したのです。
家に生活を合わせるのではなく、自分たちのライフスタイルに合わせて家を変えていく。リモデルの真骨頂を見せてくれた、見事なお宅でした。

設計担当:BAKOKOデザインディベロップメント
http://www.bakoko.jp/

 
 
 
 

【平面図】

■1階

Before

After

Before After