辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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向かい合った二部屋を一軒に仕立てた花小金井の家

今回訪ねるのは、西武新宿線が走る東京都小平市。花小金井駅は、桜の名所として知られる小金井公園の桜にちなんでその名前が付けられました。近年は駅前が整備され、落ち着いた街並みが広がっています。
そんな花小金井に暮らすMさんご夫妻は、以前は同じ沿線の公団住宅にお住まいでした。しかし、最寄駅から遠かったため、ご自宅で建築事務所を開くご主人にとってはお客様を呼びづらく、何かと不便でした。そこで慣れ親しんだ沿線で駅から近い物件を探すことに。そんな中で出会った築30年のこの物件は、なんと同じマンションの2部屋がセットで売りに出されていたのです。2つの部屋は合わせて約84㎡。この特殊な条件をうまく活かし、ご夫妻の生活スペースとご主人のオフィススペースを両立させる住まいへと、リモデルすることにしました。
およそ47㎡と37㎡の2部屋がマンションの共用廊下を挟んで向かい合うM邸。広い方の部屋はダイニングキッチンと、ご主人のオフィススペースにしました。5メートル以上もあるキッチンカウンターは、堅く反りにくいクワ科のイロコ材を使用。シンクには同じ素材で蓋ができるようになっており、テーブルの端から端までをフラットにすることができます。また、キッチンとオフィスを向かい合わせにすることで、キッチンに立つ奥様と、オフィスで作業するご主人のコミュニケーションが取りやすくなっています。さらにオフィススペースの一角には、音楽教室に勤める奥様のエレクトーンが収納されています。
こちらの部屋の床や収納を兼ねた壁には、構造用パーティクルボードが使われており、安価な素材ながらも目地を合わせることで高いデザイン性を実現しました。もともと下地材として使われているため、耐震強度も抜群です。
廊下の反対側、小さい方の部屋は、ご夫妻のプライベート空間に。ガラスの引き戸がついた浴室からは、湯船につかりながらリビングのテレビが見えるようになっており、奥様のお気に入りのスペースになっています。
今回のリモデルで意見を出し合う中で、お互いへの理解が深まったとおっしゃるMさんご夫妻。些細な問題も、自慢の我が家が解決してくれる、大満足のリモデルとなりました。

ミズタニデザインスタジオ
http://mizutani-ds.com/index.html

 
 
 
 

【平面図】

Before

After

Before After