辰巳琢郎の家物語 リモデル★きらり
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不思議なドアのある武蔵野の家

今回は、桜の名所として知られる小金井公園や東京学芸大学の緑が広がるのどかな街、小金井市にあるお宅を訪ねます。
築35年のK邸は、施主のお父様が建てた木造2階建てのお宅。以前は1階にご両親が、2階にKさんご夫妻と3人のお子さんが暮らす二世帯住宅でしが、ご両 親が他界され、Kさんご夫妻が1階で暮らすことになりました。しかし、35年前の耐震基準で建てられていたため、地震に対する不安が拭えず、また、建物の 北側には光が届きにくく、カビにも悩まされていました。そこで、1階部分の総リモデルを決意。明るく風通しのよい、地震にも安心して備えられる住宅を目指 しました。
K邸のリモデル計画は1階部分のみだったため、2階に手を加えることができず、1階の天井をあげることができませんでした。そこで、既存の基礎よりも低い 位置に新たに基礎を作り直し、その上にスレート石を敷くことで、以前よりも高い天井高を確保しました。床暖房も完備した、傷がつきにくく滑りにくい床の上 は、3匹の愛犬も大のお気に入りのようです。
建物の南側には、庭に面してリビングとダイニングが並んでいます。リビングにある3枚のはめ込み窓は、それぞれが木枠で覆われており、奥様の趣味である ガーデニングで美しく彩られた庭が、額縁で切り取られたようにみせています。窓の下には作り付けのソファと換気用の窓も設置。ソファに腰掛けてテレビを観 るご主人には、換気窓からの風が背中にあたり、とても気持ちいいんだとか。
一方のダイニングは、庭に面する壁全体をガラス張りにしました。奥様の要望でガラスの真ん中に木製の扉を設置。まるで光の中に浮かんでいるかのような扉は、庭へと出るための大切な動線となっています。家庭菜園で育てた野菜を採りに行くにも便利で、奥様も大満足のようです。
随所に施された工夫によって、人にも犬にも贅沢な空間へと生まれ変わったK邸。庭の緑と明るい光に包まれて、Kさんご夫妻はますます活動的な毎日を送られているようです。

REIKA/NARITA Architects
http://www.r-n-archi.jp/