都会で青空とプライバシーを手にした家

今回辰巳琢郎が訪ねたのは、昔ながらの住宅が密集する東京都豊島区雑司が谷。その古い家並みの中で一際目立つ白い外観の家がＫさんのお宅です。施主のＫさ んは建築家。奥様と一人娘の３人暮らしです。以前は近くのマンションに住んでいましたが、子どもが産まれ手狭になった為、築30年の中古住宅を購入し、１ 階を事務所に、２・３階を自宅にリモデルしました。構造部分は、現在の法律基準に合わせるため、筋交いに金属を入れ外壁なども補強しました。さらに既存の 外壁の外側に白いＦＲＰ製の波板でもうひとつの外壁を作りました。密集地のため、その開口部を窓とずらし、近隣からの視界を遮っています。２階の自宅への 入り口は新たに外階段を作り、事務所の玄関とは別にしました。この結果、以前室内にあった階段は撤去され、階段の上がり口だった２階の開口部には新たに強 化ガラスをはって、１階の事務所で仕事をしながら２階にいる家族の気配も感じられるようにしました。１歳になる娘のＵちゃんは２階からＫさんの姿を見るの が大のお気に入りです。以前の屋上はテラスだけでしたが、今回のリモデルで、大きな全面窓を設けた陽のあたる寝室と広いテラスに生まれ変わりました。天気 のいい日には、高層ビル群を望みながら家族で心地よい時間を楽しんでいす。

都会の真ん中で、広い空を仰ぎながらテラスで寛ぐＫさん一家の姿が、とても幸せそうでした。

河内建築設計事務所
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