建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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上時国家住宅

上時国家は平家の流れをくむとされ、奥能登地方に強大な勢力を誇った旧家であり、江戸時代初期から幕府領の大庄屋を務めた。江戸時代後期に21代目当主が現在の巨大で格式高い屋敷を28年かけて建てた。豪壮巨大な茅葺屋根の建物で、内部の公用部分の中心に大納言格式を示す「縁金折上格天井」の「大納言の間」を配している。広間の襖には、家紋でもある平家定紋の「丸に揚羽蝶」を金箔で描き連ねている。現存する近世木造民家では最大級。鎌倉時代の様式とされる池泉廻遊式庭園は素朴で力強い作風で国の名勝に指定されている。