建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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岩手銀行旧本店本館

この建物は、明治44年(1911)に3年の歳月をかけて「旧盛岡銀行本館」として竣工した。昭和59年(1984)、岩手銀行本店新社屋完成に伴い、同行中ノ橋支店となった。平成24年(2012)支店の営業終了。その後、保存修理工事を経て、本年7月「岩手銀行赤レンガ館」として一般に開放。設計は、辰野金吾・葛西萬司が主宰する日本初の建築事務所・辰野葛西建築事務所。葛西は盛岡出身で、工科大学で辰野の教え子。煉瓦造、2階建。外観は煉瓦の壁面に花崗岩の帯を回した、いわゆる辰野式。南東隅にドーム屋根付きの八角塔を配しエントランスを設けている。内部は、ロビーと営業室を吹き抜けとし、2階に回廊を巡らしている。付け柱や天井の石膏衣装など、豪華な内装が明治期の銀行建築の姿をよく示している。