建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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旧善通寺偕行社

陸軍第11師団の開庁に伴い、師団将校の社交クラブとして創設された。陸軍省営繕組織の設計。東西に長い木造平屋建で、主体部は約41.8mの長さ。北側中央は突出市中央に玄関ポーチを付ける。南には芝生が広がっている。内部は、中央の玄関左右に同形式の応接室を設け、廊下を挟んで南側中央に大広間、東端に南北2室の貴賓室、西端には食堂を配した。ルネッサンス様式の意匠でまとめられた洋風建築で、陸軍省営繕組織の確立期における作風をよく伝える貴重な遺構である。竣工の年、後の大正天皇が香川県行啓の際、休憩所として利用した。大正11年(1922)には陸軍軍事大演習参観に、後の昭和天皇が宿泊している。戦後は進駐軍の社交場、その後は検察局、市役所、公民館、郷土館等として利用され、修復復元後、現在は無料公開され、結婚式や披露宴にも利用されている。