建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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<特別編> 東京国立近代美術館フィルムセンター
相模原分館 映画保存棟

東京国立近代美術館フィルムセンターは、名作映画作品の上映、ポスターや映画資料の展示を行うほか、映画フィルムを保存・収蔵するという大きな役目を担っている。劣化し易いフィルムの保存を目的に相模原分室が建設されたのは、昭和61年(1986)。その後、増加する収蔵フィルムを最良の状態で保存するために増築されたのが「映画保存棟II」。平成23年(2011)3月に竣工。設計は、安井建築設計事務所。既存の白い建物に対し、外装に黒いレンガを利用、モノクロフィルムのイメージを喚起するなど、建物全体に映画をモチーフにした意匠(白と黒、光と影、コマ割りと連続、スリット、光の三原色)を施した。保存庫は地下に設け、年間を通じ温度2℃、湿度35%を保つ、外断熱、6面6層の魔法瓶構造。フィルムという文化財を守り、後世に残すため、完璧に保存・収蔵できる建物として、映画保存棟II に続き、平成26年(2014)に重要文化財を保存する保存棟IIIも竣工した。