建物遺産~重要文化財を訪ねて~

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天鏡閣

旧松本家住宅)

有栖川宮威仁親王(ありすがわのみや たけひと しんのう)殿下が東北地方をご旅行中、この景観を気に入り建てた別邸。有栖川宮自らの図面をもとに施工されたとされる。木造2階建・八角形の棟屋を構えたルネサンス風洋館。湖に面する南側にはコリント式オーダーの円柱のあるベランダを中心に変化にとんだ外観となっている。1階南側は洋室で、食堂、客間、撞球室が並ぶ表向きの部屋が続き、2階は和室の部屋となり、客間、居間、寝室などが配されている。「天鏡閣」の名は、漢詩を好んだ皇太子(大正天皇)に滞在したおり、李白の句「明湖落天鏡」より命名した。当時建物から猪苗代湖の鏡のような湖面が見えたが、周囲の樹木が生い茂り現在は見る事ができない。後に、昭和天皇・皇后両陛下、現・皇太子の徳仁(なるひと)親王も訪れている。